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概要
ピムスは、ジンをベースにハーブや柑橘類を漬け込んで作られるイギリスのリキュールです。最も有名なのは「Pimm’s No.1 Cup」で、オリジナルは19世紀にロンドンで誕生しました。
飲み方はカクテルとして、レモネード(炭酸入り)で割り、スライスしたフルーツやハーブを加えるのが定番です。見た目も鮮やかで、グラスいっぱいに広がるフルーツとミントが夏らしさを演出します。
社会的背景
サマードリンクの代名詞
ピムスは英国の中〜上流階級の「夏の社交ドリンク」として根付きました。ガーデンパーティーや大学のボートレース、ポロの試合、テニス観戦(特にウィンブルドン)などでよく供されます。
紅茶文化との対比
英国の「アフタヌーンティー」が日常の社交を象徴するのに対し、ピムスは 屋外での余暇や華やかな社交を象徴します。
- 正統派のティー → 「静かな社交」
- 洒落たピムス → 「開放的な社交」
という補完関係にあります。
歴史的補足
起源
1823年、ロンドンのオイスターバーのオーナー、ジェームズ・ピム(James Pimm)が消化促進のために考案。小さなタンカードで提供されたことから「Pimm’s Cup」と呼ばれるようになりました。
ちなみにタンカードとはビアマグとも呼ばれる、ビールを飲むための取っ手付きのカップのことです(ガラス製ではないので日本でポピュラーな生ビールのジョッキとは違います)。イギリスのパブでは伝統的にピューター(錫合金)製のタンカードでビールを提供することがが多かったのです。現在は安全性の点からステンレスやセラミック製も一般的になってきています。
番号の由来
「No.1」はジンベース、それ以外にもかつてはブランデーやウイスキー、ラムなどをベースにしたNo.2〜No.6が存在しました(現在市販されているのはほぼNo.1のみ)。ちなみにもともとのラインナップは
No.1:ジンベース(現存&主流)
No.2:スコッチウイスキーベース
No.3:ブランデーベース
No.4:ラムベース
No.5:ライウイスキーベース
No.6:ウォッカベース
でした。ところが、20世紀後半になると人気が No.1 に集中してしまって、他は徐々に市場から消えていきました。今では英国でもほとんど手に入らず、特別限定版で「No.3(Winter Cup)」などが季節商品として出るくらいです。
🧸くまの一言
ピムス、特にNo.1はイギリス人にとって「夏の味」です。くまは以前、No.3のブランデーベースとNo.4のラムベースは味わったことがあります。No.4(ラム)も夏向きなのですが、No.1と違って甘やかでトロピカルな感じがしました。No.1 の「清涼感ある夏」と対照的に、ちょっと重厚さを感じる味わいでした。これが廃れてNo.1に人気が集中したということは「イギリス人がどういう夏を求めたか」ということでもあると思います。
No.3(ブランデー)は特別限定版で「No.3(Winter Cup)」などとして季節商品になることがあるように、まろやかで奥行きがあり、ちょっとクラシカルで余韻重視するような感じでした。くまはかつてNo.3を雪の夜、明かりのない部屋で暖炉の火を灯りに飲んだことがあります。No.3はそうした冬の情景にふさわしい深みをもっていました。対して、No.4は午後の余暇に、No.1は夏の社交にと、それぞれの「飲む場面」で選ばれるべき味わいだといえるでしょう。
なので、くまの好みだとNo.4(ラム) → No.3(ブランデー) → No.1(ジン)という順でした。くまが「ラムベースが好き」というのがあるので、この順番ですが、No.4とNo.3は飲むシーンが違うので、実際にはNo.4と No.3、その次に No.1(ジン)という感じでした。
