🇮🇳ダージリン (紅茶)

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ダージリンについて

ダージリン(Darjeeling tea) はインド・西ベンガル州ダージリン丘陵で栽培・製造される小葉種(中国種)の紅茶です。生産量は世界の紅茶全体のごく一部ですが、マスカテルフレーバーで知られ、「紅茶の王様」「紅茶のシャンパン」とも称されます。
地理的表示(GI)で保護されており、正規のダージリンロゴ使用には産地・製法・ブレンドに関する厳格な要件を満たす必要があります(偽装防止の枠組み)。


ダージリンロゴ(GI認証マーク)について

定義・概要

  • ダージリンロゴ は、インド紅茶局(Tea Board of India)が管理する 地理的表示(GI)認証マーク。
  • 茶葉100%がダージリン産で、インド紅茶局の基準に適合した商品にのみ使用が認められます。
  • 不正使用や「ブレンド紅茶への便乗表示」を防ぐため、厳しい審査・登録制度があります。

使用条件

  1. 100% ダージリン産であること(ブレンド不可)。
  2. 認可を受けた輸出業者・ブランドのみ使用可能。
  3. インド紅茶局の承認済みデザインを改変せずに表示する。
  4. 不正使用は法的措置の対象となる。

茶樹・製法

  • 品種:小葉の中国種(Camellia sinensis var. sinensis)が中心です。園ごとにクローン選抜(AV2など)も導入されています。
  • 製法:主にオーソドックス製法(萎凋→揉捻→酸化→乾燥)です。CTCは少数です。

収穫シーズンと特徴

  • ファーストフラッシュ(3–4月):若葉由来の繊細な香り。淡い黄緑〜薄黄金の水色。渋み軽め・清涼感。
  • セカンドフラッシュ(5–6月)マスカテルフレーバー最盛。明るい黄金色の水色、ボディと甘みのバランスが良い。
  • オータムナル(10–11月)琥珀色寄りの水色。円熟した丸み、穏やかな甘さとコク。
    (※モンスーン期のサマーフラッシュは量は出るが香味は軽めで業務用に回ることが多い)

等級(グレード)表示の目安

  • SFTGFOP1 / FTGFOP1:細く長い葉形、Tippy(芯芽)も多いです。
  • TGBOP などBOP系:細断葉主体で抽出しやすいです。
    等級は外観粒度と芽の含有の指標で、品質そのものの保証ではありません。茶園・ロット差が大きいのがダージリンの魅力です。

市場と価格

  • 生産量が少なく、オークションやダイレクトトレードで高値がつくロットも珍しくありません。
  • 年・ロット差(ヴィンテージ性)が大きく、シーズンごとの買い付けが一般的です。

保存・淹れ方の目安

  • 保存:遮光・低湿・低温。開封後は早めに飲み切りましょう。
  • 抽出
    • ファースト:90–95℃ / 2–2.5分前後、薄めで香り重視。
    • セカンド:95℃ / 2.5–3分、香味バランス良く。
    • オータムナル:95℃ / 3–3.5分、やや長めでコクを引き出す。
      (茶葉量・水質・器で最適値が変わるため調整推奨)

茶葉と水色


🫖紅茶文脈での使い方

英文: Darjeeling is often called the 'champagne of teas' for its distinctive muscatel flavor.

和訳: ダージリンは特有のマスカテルフレーバーから「紅茶のシャンパン」と呼ばれます。

英文: Second flush Darjeeling shows a bright golden liquor with rich muscatel aroma.

和訳: セカンドフラッシュのダージリンは明るい黄金色の水色と豊かなマスカテル香を示します。

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