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生没・称号
1848(1850説あり)–1931/Sir、1st Baronet、初代 KCVO準男爵。生年は資料で揺れがあり、英国国勢調査の整合から1848年説が有力ですが、ODNB(英国人名辞典)は1850年表記、当人も若く見せるため1850年と称したとされています。
KCVO(Knight Commander of the Royal Victorian Order)
KCVOとは
イギリスの「ロイヤル・ヴィクトリア勲章」の等級のひとつで、Knight Commander(男性)を指す略称。女性は DCVO(Dame Commander)。受章者は敬称 Sir / Dame を名乗れます(世襲ではありません)。
🐻ポイント
KCVOについて
- 授与主体:国王(女王)個人の裁量による親授の叙勲(国家功労というより「王室への個人的奉仕」への顕彰)です。
- 等級の位置:GCVO(最上位)の次、CVO の上です。
- 何が起きる?:受章と同時にナイト(騎士)の称号が与えられ、名前の後に KCVO を付けて表記できます。
準男爵(Baronet)との違い
- KCVO=ナイト叙勲(非世襲)、爵位ではありません。
- 準男爵=世襲の名誉称号です(貴族ではないが世襲)。どちらも Sir を名乗れますが性格が異なります。
🫖紅茶文脈での使い方(1)
- He was appointed KCVO in 1901 for services to the Royal Household.
(王室への功績により1901年にKCVOを授与された。) - Unlike a baronetcy, the KCVO is not hereditary.
(準男爵位と違い、KCVOは世襲ではない。)
業績など
- わずかな貯金を元手にグラスゴーで食料品店を起こし、1871年に1号店、のち英国各地にチェーン展開。
- 1888年に紅茶取引に本格参入。
- 1890年にセイロン(現スリランカ)を訪ね、ジェームズ・テイラーと接点を持ち、セイロン産を直接調達→自社包装のモデルを確立しました。
- 「From the tea gardens to the teapot(茶園からティーポットへ)」の標語で定量パッケージ化と低価格戦略を押し出し、大衆市場を開いた。
- 広告・販促に積極的で、大量広告+均一価格でブランドを浸透させた。
- ヨット競技の名物挑戦者でもありました(アメリカズ・カップに5度挑戦)。
- 1901年KCVO叙勲、1902年に準男爵(Baronet)。
ティーバッグについて
ティーバッグで成功した人ですが、ティーバッグの発明者はリプトンではありません。 通説では1908年、米国の商人トーマス・サリヴァンが試供品用の絹袋を送ったことをきっかけに普及したとなっています。1901年の先行特許(Lawson & Molaren)もあります。リプトンはのちに採用・普及に寄与した存在です。
紅茶史へのインパクト
- 直仕入れ+自社包装+広告の組み合わせで、紅茶を労働者階級でも手が届く日常品へ押し広げました。
- セイロン産の認知拡大と、「産地名×均質ブレンド」という量産型ブランドの雛形を作ったのもリプトンです。
🫖紅茶文脈での使い方(2)
💠例文
- Lipton built a “garden-to-teapot” model by sourcing in Ceylon and selling pre-packed tea at fixed prices.
(リプトンはセイロン直仕入れ+定量パッケージ+均一価格で「茶園からティーポットへ」のモデルを築いた。) - He was knighted (KCVO, 1901) and created a baronet in 1902, while famously challenging for the America’s Cup five times.
(1901年にKCVO、1902年に準男爵となり、アメリカズ・カップには5度挑戦したことで知られる。)
🐻くまの用語チェック
- KCVO:Royal Victorian OrderのKnight Commander。
- Baronet:世襲の準男爵位(貴族ではない名誉称号)。
- James Taylor:セイロン紅茶の草分けとなったプランター。