📚書誌情報など
書名:『紅茶と水の物語』
著者:野中 嘉人(のなか よしと)
出版社:文芸社
初版:2009年
判型:B6版
ページ数:182ページ
価格:1,200円+税
ISBN978-4-286-06499-4

目次
はじめに
Ⅰ 紅茶について
1.お茶って、何?
2.紅茶はどのように作られるのか?
3.オレンジ・ペコって何? 等級のはなし
4.紅茶はどこで作られる?
5.紅茶は渋いもの?
6.紅茶はいつ、どこで、誰が作り出したのか?
7.どうすればおいしく紅茶をいれられるのか?
8.紅茶の良し悪しはどのように判断する?
9.紅茶は体によいのか?
10.ハイ・ティって、なんのこと?
Ⅱ 紅茶をいれるための水
1.水って、何?
2.おいしい水とは?
3.軟水、硬水とは?
4.軟水、硬水で紅茶をいれると?
5.紅茶をいれる水へのこだわりとは?
〇水道水 〇ミネラルウォーター 〇浄水器
6.紅茶を入れる水としてはどれがよいのか?
7.入手できる水を最適にするには?
8.理想的な水とは?
9.湯のわかし方は?
10.あらためて紅茶のいれ方は?
準備するもの
①紅茶葉 ②茶道具 ③水
いれ方手順
Ⅲ 紅茶と水のこぼれ話
1.日本の水
2.沖縄で紅茶をいれる
3.硬水ではおいしい紅茶は飲めないのか?
4.産地の水こそが茶には合う?
5.茶のおいしさについて
6.超軟水だけが作り出す妙
〇龍井茶 〇祁門紅茶 〇アイボリーチップ 〇君山銀針
7.やかんの話
8.ジャンピングが起こらない紅茶
9.クリームダウン(白濁)現象
10.低湯温で紅茶をいれる
11.Tea Water!
12.海外の水
13.ドイツのダージリン紅茶
14.陸羽の神話
15.ミネラルウォーターの種類
16.アルカリイオン水で紅茶をいれたら?
17.イギリスの水と茶
あとがき
参考文献
著者について
日本紅茶協会教育事業講師・紅茶文化研究家。
1977年、成蹊大学卒業後、日本紅茶(株)入社。英国ブルックボンド紅茶の日本市場での販売、販売促進、広告宣伝等に携わる。日本紅茶協会の宣伝、広報活動等を兼務。1996年、ブルックボンドハウス支配人として、紅茶講座「紅茶の歴史と文化」「紅茶と水」講義担当。2000年、輸入ミネラルウォーター事業及び輸入食品の販売促進業務に従事。傍ら、玉川大学公開講座「紅茶を楽しむ」外部講師を務める。
『紅茶と水の物語』著者プロフィールより
とこの本の著者プロフィールには記されています。
野中氏について調べたところ、Instagramが2023年4月19日が最終更新、Xも大体同じ時期から更新がストップしていました(今はアカウントがなくなっています)。実は2025年の年末に、文芸社宛で著者の野中氏に手紙を差し上げたのですが、残念ながら文芸社から
野中 嘉人様へ転送いたしましたところ、「あて所に尋ねなし(転居先不明)」と返送されてしまい、お電話番号も繋がらない状況でございました。
文芸社著者サービスセンターより
というお手紙と一緒にお送りした手紙が返送されてきてしまいました。
ちなみに野中氏は、内容が水とは関係ありませんが、以下の映像『アールグレイの魅力について 日本紅茶協会教育事業講師・紅茶文化研究家 野中嘉人氏』が今(2026年11月1日現在)でも見ることができます。(画像をクリックすると動画を見ることができます)

☕ 所感
もっと振り切っても良かった
一般書を意識されたからだと思うのですが、182ページのうち、最初の49ページまでは「水について」ではなく、一般的な「紅茶について」の話題になっています。
せっかくの自費出版ならば、最初から最後まで「全部紅茶と水について」でも良かったのに、というのが正直な感想でした。「Ⅱ 紅茶をいれるための水」「Ⅲ 紅茶と水のこぼれ話」が面白かっただけに、一般書によくあるような「Ⅰ 紅茶について」の部分はなくして、その分のページも全部「紅茶と水」の話に振り切ってくれたらよかったのに、と思いました。
紅茶にとって水はとても大事な要素です。しかし、紅茶と水についてを主役にして、正面から扱っている本は少なくても日本語の本には他にありません。だから「もったいない」とどうしても感じてしまうのです。商業出版なら「売らないといけない」という宿命があります。しかし、その宿命から自由になって、著者が好きなことだけを書けるのが自費出版です。そこが残念でした。
水にこだわっているからこそ
Ⅱ章、Ⅲ章は文句なく面白いです。
Ⅱ章では、紅茶と水について科学的な視点を中心に語られています。また、紅茶により適した水にするための方法や浄水器についてなど、非常に納得できる話が展開されています。
Ⅲ章は科学的な視点というよりは体験談などを交えて興味深い話が展開されています。この章はもっとページ数を増やしてもらえたらよかったな、と思いました。
🐻まとめ
お勧め度:★★★★☆
星が一つ減ったのは、やはり第Ⅰ章が「この本でなくてもよい話」に割かれていたことからです。またⅡ章の「9.湯の沸かし方は?」あたりでちょっと疑問が残ったのも理由の一つです。
買うべきか?
この本は紅茶好きなら読む価値がとてもあります。
そして自費出版本ということから図書館でもなかなか読めないと思います。
しかし、現在価格が高騰していて、¥29,980(Amazon / 2026年8月15日確認)、¥30,274(メルカリ / 2026年8月15日確認)という具合なので、この金額を出して買うのはどうだろう?と正直思います。
すでに売れている物を見るとメルカリでは500円~1,200円という値段でも出ていたようなので、こまめにチェックをして、安い値段で出た時は迷わず買う、という方針が良いと思います。ちなみにくまが調べた限りでは、ここ半年くらいで取引価格が急に高騰したようです。