TBT協定(WTO技術的貿易障壁協定)

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📘概要

TBT協定(Technical Barriers to Trade Agreement)は、世界貿易機関(WTO)の下で採択された、技術規則、基準および適合性評価手続に関する国際ルールです。日本語では「技術的貿易障壁に関する協定」と訳され、輸出入における不当な技術的障壁の回避と透明性の確保を目的としています。


🎯 設立の目的

TBT協定は、製品の品質、安全、環境保護などに関する各国の規制が、国際貿易を不当に妨げることがないようにするために設けられました。

ただし、安全や健康を保護する目的で設けられる正当な技術的規制は否定せず、その策定・運用に国際的整合性と透明性を求めることが基本方針です。

🧭 協定の基本的な内容

TBT協定の主なポイントは以下の通りです:

  • 📜 国際規格の活用推奨:各国は、ISOやCodexなどの国際標準を可能な限り活用する。
  • 🛑 差別的措置の禁止:自国製品を優遇し、他国製品に不利益を与える技術規則は禁止。
  • 🔍 透明性確保:技術的規制を導入・改正する際はWTOに通報し、他国の意見を聞く機会を設ける。
  • 📄 適合性評価の公正性:検査・認証の手続は公平で合理的であるべきとされる。

🌿 紅茶産業との関係

紅茶やその加工品に関しても、TBT協定は次のような文脈で影響を及ぼします:

  • 成分表示、添加物、香料などの表示規制(例:日本の食品表示基準、EU No.1169/2011)
  • 残留農薬の基準値(Codex MRLと各国基準の整合性)
  • 有機認証の相互承認(例:EU Organic Regulationと有機JAS)
  • 規格認証(ISO 3720等)をめぐる輸出入交渉

これらは、いずれも技術的規則であり、その背後にTBT協定があることで、相互主張と調整が行われる枠組みが成立しています。

📚 関連項目(紅茶用語集内)