🧪紅茶の発展的研究

紅茶の発展的研究では、紅茶をより深く理解するための、応用的・発展的な研究記事を紹介しています。
科学・農学・環境・加工技術・文化比較など、自然科学、社会科学、人文科学、言語学など分野を問わず扱っていきます。また、専門家向けの専門的な記事や実験的な内容も扱います。

紅茶と肥料 (1)

🪴肥料 🌱肥料一般について 肥料と言うとすぐに有機肥料か、化学肥料かという話になりがちですが、ここではそういうくくりではなく「肥料そのもの」について見ていきたいと思います。 そもそも特定の肥料を施肥すると、農作物にダイレクトに影響するという…

紅茶と肥料 (2)

🌱紅茶栽培における施肥の基本 『紅茶 紅茶と科学 (16) 紅茶と肥料 (1)』で解説した通り、紅茶(Camellia sinensis)は酸性土壌(pH 4.5~5.5)を好み、窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)のバランスが重要です。…

紅茶と肥料 (3)

実際の肥料製品名やスケジュール表、土壌分析の解釈例を、スリランカを例にとって解説します。 🌱肥料製品名(スリランカにおける例) スリランカでは、以下のような肥料製品が一般的に使用されています。 📅施肥スケジュール表(年次計画の例) 🌞天候に…

マスカテルフレーバー(1)

1.化学的考察 🍇マスカテルフレーバーとマスカットの香気成分🍇 ダージリンティーのマスカテルフレーバーとマスカットの香気成分には、いくつか共通する化学物質があるとされています。特に、どちらも「フラボノイド類」や「テルペン類」など、類似の成分…

マスカテルフレーバー (2)

3.マスカット説は正しいか? 再びmuscatel muscatelという単語を検索していて、気になったことがあります。それは以下のような説明や例文がいくつも出てきたことです。列挙してみます。 ・muscatelmuscatelという単語は…

ティーバッグの安全性 (1)

1.そもそもの始まり 2025年1月21日のヤフーニュースに『紅茶のティーバッグから大量のマイクロプラ。腸細胞から吸収される可能性も』 という一つの記事が載りました。同様のエビデンスで2025年2月22日のFigaro・jpにも『…

ティーバッグの安全性(2)

4.マイクロプラスチックやナノプラスチックの危険性 マイクロプラスチックやナノプラスチックには害がない? 高分子材料技術者の並木陽一工学博士という方が「ティーバッグからマイクロプラスチックが溶け出したお茶などを飲んでも健康被害はない」という…

ティーバッグの安全性(3)

6.ナノプラスチックはなぜできる? マイクロプラスチックやナノプラスチックができる原理 ここで少し整理しておきます。まず、マイクロプラスチックは消化系から排出が可能ですが、ナノプラスチックは粒子が小さく、腸から吸収されてしまうので血液や細胞…