🎨 紅茶と文化

文学や美術、写真、映像など――紅茶はさまざまな人間の表現とともに登場し、物語や世界観を彩ってきました。また、喫茶の習慣や贈答、日常の道具使いなど、生活文化としての側面も豊かです。このカテゴリでは、表現と文化の両面から、紅茶が育んできた文化的広がりをたどります。

紅茶とISO(1)香料の国際規格

はじめに 私たちが日常的に使う「香り」という言葉。それがどんな香水であれ、紅茶であれ、あるいは洗剤や柔軟剤の香りであっても、どこか「感覚的」で「主観的」なものに思えるでしょう。ところが、香りの世界にも国際的な「基準」や「 […]

紅茶缶(1)隠されたもうひとつの歴史

プロローグ 18世紀から19世紀にかけて、紅茶はただの嗜好品ではありませんでした。それは国家の財政を支え、密輸の標的となり、時には命を脅かす偽装品の媒体ともなったのです。そして、その裏側にいつもそっと寄り添っていたのが、 […]

共にあったはずのふたつのお茶~日本茶と紅茶の戦後史~

📝 はじめに 戦後の日本において、日本茶と紅茶は一見対照的な道を歩んできました。日本茶は「伝統と日常」、紅茶は「洋風と贅沢」の象徴とされ、それぞれの飲用文化には時代ごとの価値観と生活様式の変化が色濃く反映されてきました。 […]

紅茶缶の再利用文化

再利用文化とは? 紅茶缶の再利用文化とは、戦後から高度経済成長期にかけて日本の家庭で広く見られた、輸入紅茶の缶容器を他の用途に転用する生活文化のことです。 金属製で密閉性があり、デザインも西洋的でおしゃれだった紅茶缶は、 […]

デカフェとカフェイン

カフェインの文化史 恐れられる前のカフェイン 🏺 1. 薬草としてのカフェイン 古代の目覚め 地域 飲料 意味 中国 茶(主に緑茶) 仏教僧侶の眠気覚まし、長時間の修行補助 エチオピア コーヒー 伝説的にヤギが元気に跳ね […]

「召使のティータイム」 階下で淹れられた静かな誇り

導入──「主人のティーが終わってから」が、始まりだった 華やかなアフタヌーンティーの裏側には、いつも「もうひとつのティータイム」がありました。それは、執事や家政婦、料理番や女中たちといった、使用人たちによる「階下のティー […]

茶葉に紛れた別のもの──紅茶缶の裏面史

はじめに──「紅茶缶の中には夢が詰まっている」と言ったのは誰だったか 紅茶缶。それは、優雅な午後の象徴であると同時に、過去の“密かな戦場”でもありました。 18〜19世紀、紅茶はまさに「貴族の飲みもの」から「国民的嗜好品 […]