紅茶占い

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紅茶占い(Tasseography / タッセオグラフィ)

ハリーポッター

紅茶占いと聞いて「ああ、あれか」と思う日本人は少ないと思います。もし知っている人がいるとしたらよほどの占い好きか、あとはハリーポッターシリーズのファンではないでしょうか。ハリーポッターシリーズの「アズカバンの囚人」の中で紅茶占いが出てくるので、あの映画を見た人だと、どんなものかイメージがわくと思います。

紅茶占いの歴史

はっきり言って、いつ始まったのかはわかりません。元々は古代中国で始まり、それがお茶やコーヒーの貿易ルートにのってヨーロッパへ伝播したといわれています。初期の頃はバルト諸国とスラブ諸国の両方でよく行われていました。これにはロマ族と呼ばれる中東ヨーロッパを移動するジプシーが貢献していて、ロマ族の中に紅茶占いを専門とした占い師がいて、移動する先々で占いをし、人気を得ていたようです。

やがて全ヨーロッパに紅茶の文化と共に紅茶占いも広がっていきました。アフタヌーンティーの文化が普及したヴィクトリア朝のイギリスで、この紅茶占いは女性たちの間で大流行したと記録に残っています。どのように読み解けばいいのかといったマニュアル本も人気となり、家庭でも楽しまれていたようです。

紅茶占いの方法

1.まずお茶を淹れます。
カップは内側が白または、淡い色のものを選びます。
お茶の種類は何でも大丈夫です。元々、中東などではお茶ではなくコーヒーで行っていたぐらいですので。この時に茶こしを使わずに淹れてください。カップに茶葉が一緒に出てしまうことが大切なのです。

2.心を落ち着けましょう。
普通に美味しい紅茶を淹れましょう。この間、心を静めることが重要なポイント。静かな場所で無言で、というのもありですし、モーツアルトなどの穏やかなクラッシック音楽を小さな音で流しておくのも雰囲気が出て良いと思います。間違ってもおしゃべりしたり、騒いだりしてはいけません。

3.心静かにお茶を頂きましょう。
紅茶を頂きます。この時に
「自分の利き手でない方の手でカップを持つ」
というのが大切だと書いてある本もあります。でもそれは一部の本でしかないので特にこだわらなくても良いでしょう。好みで決めてください。

紅茶を頂く時に、占いたいことを頭に浮かべながら飲みます。漠然と未来を知りたいなどの場合はできるだけ何も考えないで静かに飲む方が良いとジプシーによれば、言われています。

この時に大切なのは、最後まで飲み干さず、少しカップの底に茶葉とお茶を残しておくことです。そうでないと占いが出来ないからです。

4.占いの開始
ティーカップをもって、渦を描くように3回まわします。
次に静かにティーカップをお皿の上に伏せましょう。

5.茶葉の読み方
カップを裏返して、茶葉がどんな模様を描いているかを読み取りましょう。カップの中に残った茶葉が、どのように見えるかで占っていきます。カップのスタートは、ハンドル(把手)がついているカップならそこから、日本の茶碗の用にハンドルがついていないものなら、12時の位置から始めて、時計回りに読み取っていきます。

カップの縁に近い部分と、真ん中の部分、カップの底の部分とにわけて占っていきます。そして茶葉がどのような形になっているか、それが何に見えるかをメモしていきます。紅茶占いの本によると
・カップの縁に近い部分:近い将来
・真ん中の部分:2週間以上先のこと
・底の部分は結論
と、読んでいくそうです。

専用のカップ

占いの方法の所で書いたように、紅茶占いにはシンプルな白いカップ蛾よく使われます。しかし、紅茶占いのマニアやプロの占い師等によると、カップの中の茶葉の位置に関する色々な伝統があって、印のついたカップの方が扱いやすいと考える人もいます。

そこで19 世紀後半から現在に至るまで、イギリスとアメリカの陶器メーカーは紅茶占い用に特別に装飾されたカップとソーサーのセットを製造してきました。これらの多くは特許を取得していて、使用方法を説明した説明書が突いていることが多いです。また、時代や場所によっては、大量に紅茶を購入した人に特典として無料で配ることもあったそうです。

くまが持っている占い用のカップと解説書
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