紅葉茶

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中国紅茶への違和感

ラプサンスーチョンと雲南紅茶

今まで中国の紅茶というとキームン(祁門紅茶、またはキーマン)しか飲んだことがなかったのですが、今回Tea World netに中国の紅茶について書くに当たってラプサンスーチョンと雲南紅茶を初めて買って、実際に飲んでみました。

キームンは間違いなく「紅茶」というカテゴリーに入るお茶だと思いましたが、『Lapsang Souchong』『Yunnan tea(雲南紅茶)』は正直に言えばくまは「これは紅茶ではない」と思いました。

たしかに製法的には完全発酵茶なのでBlack Teaであり、紅茶で間違いありません。香りが独特とはいえ、香りが問題ならフレーバーティーは紅茶ではないということになってしまうので、この点も「紅茶」と主張して間違いないと思います。しかし、次の点がいわゆる紅茶のカテゴリーからはずれると思うのです。

  1. 何煎も楽しめること:これは紅茶にはありません。
  2. 後味に口が渇くような中国茶独特の後味があること。

です。2に関しては感覚的なものだと言われれば、それまでですが、風味が子茶ではなく中国茶だとくまは思うのです。そして何と言っても1の何煎も淹れられるというのはいわゆる紅茶とは別分類の独自の世界を持っているのではないかと飲みながら確信しました。各々のお茶についてはぜひ『Lapsang Souchong』『Yunnan tea(雲南紅茶)』を読んで頂きたいのですが、これにはこの両方が入ることができる新しい枠組みが必要だと感じたのです。

紅葉茶という概念

紅葉茶

そこでくまは『Lapsang Souchong』『Yunnan tea(雲南紅茶)』にふさわしいカテゴリー概念として「紅葉茶」という名称を提案したいと思います。文化的および製法的には中国産の紅茶(Black Tea)でありながら、洗茶が必要だったり、何煎も淹れることができたりというような中国茶的な性質を色濃く残したお茶に対するカテゴリーとして定義したいと思います。

なぜ紅葉か

西洋式の「紅茶」つまり、アッサムやセイロンのような味・風味とは異なり、中国紅茶の多くは「熟した果実」「スモーキーな木の葉」「土と日だまり」など、まるで秋の山野のような風味と色合いを持っています。そこには東洋の情緒が溢れる「紅葉(こうよう)」に通じるものがあるとくまは思っています。なので、この紅茶として扱われている中国茶にこの情緒をあてはめて「紅葉茶」としました。

この「紅葉茶」という言葉と概念が少しでも広がってくれればよいな、くまは願っています。