アフラトキシン(カビ毒)

contents

📘 正式名称

正式名称はAflatoxins(アフラトキシン類)です。
主にアスペルギルス属のカビ(Aspergillus flavus および A. parasiticus)が産生する有害な二次代謝産物(マイコトキシン)です。


📌 主な種類と毒性

種類 特徴 毒性
アフラトキシンB₁(AFB₁) 最も毒性が強く、発がん性もある ⛔ 極めて高い
アフラトキシンB₂(AFB₂) B₁に次ぐ毒性 高い
アフラトキシンG₁(AFG₁) 紫外線下で蛍光を放つ 中程度
アフラトキシンG₂ (AFG₂) G₁に次ぐ やや弱い

🫖 紅茶との関係

  • 紅茶は本来高温乾燥処理されるため、アフラトキシン汚染リスクは比較的低いです。しかし以下の条件では汚染が起こりえます。
    • 不適切な茶葉の保管(高温多湿)
    • 長期輸送中のコンテナ内の湿気
    • 中間製品(ペットボトル原液など)での再汚染
  • 輸入時には、サンプリング検査でアフラトキシンが検出されると違反扱い(回収・廃棄)となります。
  • 一部国では紅茶・ハーブティーも含めてカビ毒基準値が設定されています。

🌏 国際的な規制と基準

規格 管轄機関 最大基準値(AFB₁) 備考
Codex CXS 193(旧CXS 192-1995) Codex Alimentarius Commission(CAC) 食品別に設定(茶類の直接指定なし) 汚染物質の一般基準を定める。
日本(食品衛生法) 厚生労働省(制度運用)、内閣府食品安全委員会(リスク評価) AFB₁: 5 ppb、合計: 10 ppb 輸入乾燥ハーブや茶類にも適用される。
EU 欧州委員会(European Commission)、助言:EFSA AFB₁: 10 ppb(例:ナッツ類) 茶葉も一部検査対象に含まれることがある。
アメリカ(FDA) アメリカ食品医薬品局(FDA) 合計: 20 ppb 茶は明示されていないが乾燥農産物に広く適用。

📝ポイント

  • CodexはFAO/WHOの下部組織(CAC)
  • EUは立法:EC/評価:EFSAという二本立て体制
  • 日本は法執行:厚労省/評価:食品安全委員会

🧪 検査方法

  • 薄層クロマトグラフィー(TLC)
  • ELISA(免疫測定)
  • HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)
  • LC-MS/MS(多成分一斉分析)

📍 備考

アフラトキシンは熱や乾燥では分解されにくく、一度汚染された茶葉は回復できません。ですから、原料・保管・輸送すべての段階での衛生管理(PRP)が極めて重要です。


🔗 リンク

タグ: アフラトキシン カビ カビ毒 🧪衛生・品質管理