contents🏷️ EC Regulation 178/2002【EU食品法の基本規則】
分類:🇪🇺 地域制度/EU食品法/枠組み規則
正式名称:Regulation (EC) No 178/2002 laying down the general principles and requirements of food law, establishing the European Food Safety Authority and laying down procedures in matters of food safety
制定機関:欧州議会および欧州理事会
発効日:2002年1月28日(施行:2005年)
📘 概要
EC 178/2002 は、EU域内すべての食品法規制の基礎となる“フードローの憲法”です。
この規則は、食品の安全、責任、表示、流通、トレーサビリティなどを統合し、EFSA(欧州食品安全機関)の設立もここに規定されています。
🔎 EU食品法に関わるすべての事業者・製品は、まずこの規則の理念と定義に基づくことが要求されます。
🧪 主な構成・規定内容(概要)
項目 | 内容 | 紅茶との関係 |
---|---|---|
食品の定義と範囲 | 食品の法的定義を明確化 | 茶葉・ハーブ・香料・抽出物などへのすべてが対象に |
安全性原則(Article 14) | 「安全でない食品は販売してはならない」 | 農薬残留・異物混入などへの対策が必要 |
リスク分析原則 | Codexに準じたリスク評価・管理・伝達の3区分 | Codex CXG 80(リスク分析指針)と整合 |
予防原則(Precautionary principle) | 十分な科学的証拠がない時でも予防的措置が可能 | 新規香料・加工方法に対する審査基準になることも |
トレーサビリティ義務(Article 18) | 食品・飼料・原材料の流通履歴の記録と提示 | 茶葉・香料・包材のロット管理が必要 |
責任の所在(Article 17) | すべての食品事業者が安全確保の責任を負う | ブランドオーナー・パッカー・輸出業者 |
🔗Codex・ISOとの関係性
- Codex CXG 90-2017:GMPとHACCP義務において整合
- Codex CXG 80-2013:リスク分析三原則を採用
- Codex CXS 1-1985:表示義務における共通理念あり
- ISO 22000:食品安全マネジメントシステムの構造はEC 178を踏襲
📘 EFSA(European Food Safety Authority)との接続
- 本規則により EFSA(欧州食品安全機関)が設立され、JECFAに相当する毒性評価・リスク管理の中核機関として運用される。
- 香料・食品添加物の評価や、新規食品(Novel Foods)制度の科学的審査もEFSAが担当。
✍️ 注記
- この規則は、Codexを土台としながら、EU域内での食品取引を統一的に整理する「全体原則」です。
- 紅茶においては、「食品としての定義」「表示」「安全性証明」「香料の出所証明」「残留リスク」「輸送時の履歴」など、すべての制度的判断の土台となります。
※EU制度を学ぶなら、まずこの条文を一度「読む」のが通例です。