人物
エカチェリーナⅡ世(Екатерина II/1729-1796)はロマノフ朝第8代ロシア皇帝です。啓蒙専制君主の代表とされています。歴代のロシアの女性君主の中で最長在位を誇り、最も領土を拡大し、文化や教育を発展させるなど、数々の輝かしい功績を残しています。
歴史的背景
即位後、法典編纂と政治理念を示す「ナカーズ(Instruction)」を掲げて立法委員会を招集しました。また1785年の貴族章典などで統治体制を整備しました。その一方で、貴族の支持を取り付けるために農奴制の推進を継承しました。そしてその結果起こった大規模な農民の反乱であったプガチョフの乱(1773–75)を武力で鎮圧しました。対外的にはオスマン帝国との戦争やクリミア併合(1783)、ポーランド分割などで版図を拡大しました。啓蒙思想家(ヴォルテール、ディドロ等)と文通し、教育・芸術保護にも力を注いでいました。
紅茶・喫茶文化との関わり
帝都サンクトペテルブルクの宮廷では欧風の茶会文化が浸透し、18世紀末のロシア上流社会における紅茶受容の一画をなしていました。1791年11月1日、漂流民大黒屋光太夫が拝謁した際に欧風の紅茶が供されたと伝えられ、これが日本人による本格的紅茶体験の最初期事例としてしばしば言及されます。
現代において
エカチェリーナⅡ世は、ロシアの国家形成と啓蒙主義受容の文脈に加え、日本の紅茶史(紅茶の日:11月1日)を語る際の基礎人物の一人です。
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