アールグレイ (Earl Grey)

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概要

アールグレイは茶葉にベルガモットの精油または香料で香りを付けたフレーバーティーの一種です。ベースとなる茶葉は規定があるわけではなく、中国茶のキーマン(祁門 / Keemun)、セイロン、両者のブレンド、ダージリンなど、ブランドやロットによりさまざまです。


由来・歴史

元々は中国でチャノキの間にダイダイが植えられている茶園で採れた茶葉にダイダイの香りが移っていたものだったという説が有力説としてあります。しかし、当時のヨーロッパではダイダイが手に入らなかったので、それに似たものとしてベルガモットが使われたという説です。

グレイ伯爵が飲んだものはこの移り香のものだったという説も同時に残っていますが、歴史学的にはかなり信ぴょう性のない説です。

アールグレイの開発はジャクソンズオブピカデリー社(Jacksons of Piccadilly)が第2代グレイ伯爵の出入り商人の店を吸収したので、その商人からレシピなどを得て作ったから、自分たちがオリジナルであると主張していました。一方トワイニング社は第5代グレイ伯爵チャールズ・グレイ (Charles Grey, 5th Earl Grey) が「トワイニングがオリジナルである」と認めていることを根拠として自分たちがオリジナルだと主張していました。

歴史学的にはジャクソンズオブピカデリー社の方が早かったようですが、結局1990年にジャクソンズオブピカデリー社をトワイニング社が吸収合併したことでこの論争は終わり、2013年に第7代フィリップ・ケント・グレイ (Philip Kent Grey 7th Earl Grey)がトワイニングをオリジナルと改めて認めました。


風味の特徴

  • 香り:ベルガモット由来の明るいシトラス香。強め〜控えめまで幅広い。
  • 味わい:ベース茶葉によって変化。キーマン系は丸み、セイロン系はキレ、ダージリン系は軽やかさ。
  • 色合い:中〜濃い琥珀色が目安(抽出濃度・茶葉次第)。

飲み方のヒント

ストレートなら、湯温・抽出時間は香りを飛ばしすぎない設定にしましょう。ミルクを入れる場合は、香りが負けないようにやや濃いめに抽出するのがコツですが、くまはあまりお勧めしません。

アイスティーやレモン添えとも相性が良いです(渋みが出やすい茶葉は抽出時間に注意)。


よくある誤解

🗾日本では、洋風の名前・柑橘香・パッケージの高級感から「高級紅茶」と誤認されることがあります。実際には、フレーバー設計とベース茶葉の選定で仕上げるスタイルの名前です。

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