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概略
ジョージ5世(George V, 1865–1936)は、1910年から1936年まで在位したグレートブリテンおよびアイルランド連合王国ならびに海外自治領の国王であり、同時にインド皇帝を兼ねました。
人物
第1次世界大戦期の国王として知られ、ドイツ系の王室名を「サクス=コバーグ=ゴータ家」から「ウィンザー家」へ改称したことでも有名です。紅茶文化の観点では、ヴィクトリア女王やエドワード7世に続く時代の王として、王室と紅茶の関係が大衆に広がる時期を象徴する存在です。
質素な生活ぶり
父エドワード7世が華やかで社交的だったのに対し、ジョージ5世は「家庭的で質素」を好み、規則正しい生活を重んじました。夜遅くまで遊ぶこともなく、海軍仕込みの規律正しさが際立っていたと言われます。
家庭人としての姿
妻メアリー王妃と5人の子に恵まれ、家庭を大切にした国王でした。子どもたちとティータイムを楽しむ姿が記録に残っており、「王室=紅茶の時間」というイメージの定着にも無意識に寄与しているとも考えられます。
第一次世界大戦と「ウィンザー家」
第一次大戦でドイツとの関係が問題視され、1917年に王室名を「サクス=コバーグ=ゴータ」から「ウィンザー」に変更。この決断は国民から歓迎され、王室と国民の距離を縮めました。紅茶のような「英国的日常の象徴」が王室のイメージ戦略に重なる部分もあります。
紅茶との結びつき(文化的背景)
直接「紅茶を愛した」という逸話は少ないのですが、大戦後の英国社会では「庶民の日常=ティータイム」が国民的習慣として定着しました。この時代を国王として過ごしたジョージ5世は、結果的に「紅茶がイギリスらしさの象徴になる時期」に王位にあった人物、と位置づけられます。
