GMP(Good Manufacturing Practice/適正製造規範)

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概要

GMP(Good Manufacturing Practice/適正製造規範)は、製品を一貫して安全・均質に作るための「作り方の約束事」です。設備・環境・人員・衛生・清掃・保全・校正・異物・文書化・教育・トレーサビリティ・回収手順など、工場運営の基礎を体系化します。医薬品ではcGMP(current GMP)の呼称が定着し、食品分野ではGMP/GHP(Good Hygiene Practices)がHACCPやISO 22000、BRCGSの土台(PRP=前提条件プログラム)として位置づけられています。

簡単に言えばGMP=PRP(前提条件)でHACCPやBRCGSの土台という理解が良いです。


茶との関連

産地工場(萎凋→揉捻→酸化→乾燥)では異物混入・交差汚染・害虫を避ける衛生管理、水・蒸気・圧縮空気の管理、器具・篩・ラインの洗浄・点検がGMPの中核です。ブレンド/ティーバッグ充填では金属探知機・ガラス/脆性素材管理・ラベル突合(ロット・期限)・アレルゲン管理(フレーバー使用時)が要点になります。記録(SOP/清掃・点検ログ/教育記録)とロット追跡が、監査時の「証拠」になります。


他規格との関係(書き分け)

  • GMP=工場運営の基礎
  • HACCP=製造工程の危害分析と重要管理(CCP)。
  • BRCGS/FSSC 22000/ISO 22000=マネジメント体系(PRPとしてGMP/GHPを要求)。
  • ISO/IEC 17025=試験所の能力要件(COAの信頼性に関与)。
    ようするに「GMP=「日々の当たり前」を規格化」と押さえ、規格名とは役割で切り分けると混同が避けられます。

GMPの主な要素(紅茶工場のチェック例)

  • 人と場:ゾーニング、入退室・手指衛生、ユニフォーム、教育訓練
  • 設備・保全:分解清掃手順、潤滑剤の食品適合、計器の校正
  • 衛生・清掃:清掃計画、洗剤・殺虫剤の管理、ペストコントロール
  • 資材・表示:包装材受入、ガラス・脆性素材リスト、印字検証、ラベル照合
  • 異物対策:ふるい・磁選・金属検出、ライン始業点検
  • 文書・記録:SOP、逸脱・是正、リコール手順トレーサビリティ(原料→製品→出荷)

用語の注意

  • cGMPは主に医薬品文脈。食品では「GMP/GHP/PRP」として読みます。
  • GAP(Good Agricultural Practices)は農場(一次生産)の基準で、工場のGMPとは別です。ハーブ原料などはGACPが用いられることもあります。

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