ISO 11287(緑茶の品質規格)

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概要

分類:品質・認証/国際基準
正式名称:ISO 11287:2011
英語タイトル:Green tea — Definition and basic requirements
制定機関:ISO(国際標準化機構)
初版発行:1991年(最新版は2011年)


起源・背景

ISO 3720(紅茶規格)とのバランスを取る形で1991年に初版制定されました。1980年代以降、緑茶の輸出増加とともに国際取引における品質差異や呼称の混乱が指摘され、緑茶にも明確な定義と品質基準が必要とされたことに起因となっています。


内容構成

ISO 11287は、緑茶(Green Tea)の定義および、国際取引において求められる最低品質基準を定めた国際規格です。
Camellia sinensisの葉を不発酵処理(非酸化)し、乾燥して製品化された茶葉が対象です。大量取引される緑茶の品質保証に用いられます。


ISO 11287主な規格内容(品質基準項目)

指標名内容
緑茶の定義酸化酵素を加熱処理によって失活させた茶葉。自然乾燥または機械乾燥を経たもの。
外観要件茶葉の形状・色調が緑茶としてふさわしいこと(青緑色~濃緑色)
水分含量通常8%以下
異物の基準茶以外の植物片・石・金属等の混入限度を定める
灰分・酸不溶性灰分無機不純物や混入汚染のチェック項目
水抽出物(可用性分)一般に30%以上が望ましい(品質を測る1指標)
pH(灰分水溶液)通常5.5~7.0範囲内(過度な酸・アルカリの検出)
粗繊維含量食品的品質の判断材料(含量が多すぎると品質劣化の可能性)

運用上の補足

  • 「日本茶」や「釜炒り茶」などの伝統製法茶も、この規格に準拠している場合がある。
  • ただし香り付け緑茶や粉末緑茶(抹茶)は対象外。
  • ISO 1839(サンプリング)とセットで用いられることが多い。
  • 官能評価(味・香り・滋味)については記載がない(別途官能規格に委ねられる)。

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