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定義・概要
カングラ(Kangra) は北インド・ヒマチャルプラデシュ州カングラ渓谷に位置する茶産地で、標高900〜1,500mの山岳地帯にあります。150年以上の歴史を持ち、インド紅茶産業の初期から知られる地域のひとつです。現在は主に中国種(Camellia sinensis var. sinensis)を用いた緑茶の産地ですが、少量ながら質の高い紅茶も生産されています。
地理と気候
- 位置:ヒマラヤ山脈西方、ヒマチャルプラデシュ州北西部。
- 気候:冷涼な山岳気候。昼夜の寒暖差が大きく、乾燥期とモンスーン期がはっきり分かれます。
- 標高:おおよそ900〜1,500m。高地栽培のため繊細な香味が出やすいです。
カングラの位置図
カングラはインド北西部ヒマチャルプラデシュ州に位置し、標高900〜1500メートルの山岳地帯にある茶産地です。

カングラの茶園風景
カングラ渓谷の茶園の風景写真です。山岳地帯の斜面に広がる茶畑と背景のヒマラヤ山脈が特徴的です。

歴史
- 茶栽培は19世紀半ば(1850年代)に開始されました。
- 当初はダージリン同様に中国種の導入からスタートです。
- 1905年の大地震で茶園の多くが被害を受け、規模は縮小してしまいました。
- 現在も小規模ながら、地元政府や農家が産地復興に取り組んでいます。
茶葉の特徴
- 緑茶:爽やかな香気と柔らかな渋みが特徴です。
- 紅茶:生産量は少ないですが、フルーティで香り高いロットが出ます。
- 総評:高地らしい繊細な香りです。インド紅茶の中では希少性が高いものです。
市場での位置づけ
- 生産量は少なく、ほとんどがインド国内消費です。
- 一部は輸出され、特にドイツ・日本など品質志向の市場で注目されることがあります。
- GI(地理的表示)保護を受けており、「Kangra Tea」としてブランド化が進められています。
🫖紅茶文脈での使い方
英文: Kangra is a small but historic tea region in Himachal Pradesh, India.
和訳: カングラはインド・ヒマチャルプラデシュ州にある小規模ながら歴史ある茶産地です。
英文: Kangra teas are mainly green, with limited but high-quality black teas.
和訳: カングラ茶は主に緑茶で、紅茶は少量ながら高品質なものが生産されています。