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定義
微生物管理(Microbiological Control) は、食品製造において製品の安全性と保存性を確保するために行う管理手段です。衛生指標菌や病原菌の存在を監視し、工程や環境における汚染リスクを低減します。対象となる主な微生物は 一般生菌数・大腸菌群・黄色ブドウ球菌・サルモネラ属菌 などで、規格基準や国際ガイドラインに従って管理が行われます。
紅茶は水分活性が低く、乾燥製品としては微生物リスクが小さい部類に入りますが、濡れた工程(CTC 製造の湿潤部・抽出液の調整・リーフの加湿工程など)では増殖の可能性があるため注意が必要です。
主な対象微生物
🦠一般生菌数
衛生状態の総合指標になります。製造環境の清浄度を確認します。
🦠大腸菌群(Coliforms)
大腸菌自体は一部のもの(O157のような病原大腸菌)を除けば無害です。しかし、これが多数検出されるということは水や人由来の汚染レベルが高いことを示します。なので汚染指標として重要視されます。
🦠黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
人の皮膚由来の細菌です。黄色ブドウ球菌は健常人の手指や皮膚に常在しています。菌自体は無害ですが毒素を作り出し、それは加熱しても壊れません。なので「汚染予防」が極めて重要です。
🦠サルモネラ属菌(Salmonella spp.)
サルモネラ属菌(Salmonella spp.)は、鶏・豚・牛などの動物の腸管や、河川・下水など自然環境に広く存在する細菌です。ネズミやペット動物を介して食品を汚染する場合もあります。汚染を受けた食品の摂取により感染し、高熱を伴う急性胃腸炎 を引き起こすのが特徴です。
🦠カビ・酵母
保存状態不良や湿度過多でリスクが増大します。