🇮🇳ニルギリ(産地)

contents

定義・概要

ニルギリ(Nilgiri) は南インド・西ガーツ山脈南部に広がる丘陵地帯で、インド有数の茶産地です。タミル・ナードゥ州、カルナータカ州、ケーララ州の3州にまたがり、標高2,000mを超える峰が少なくとも24座存在します。年間を通じて涼しく穏やかな高原気候で、紅茶や緑茶の栽培に適しています。


語源と文化

  • Nilgiri は現地語で「青い山」を意味します。
  • 語源は Neelakurinji(ニーラクリンジ、学名 Strobilanthes kunthianus に由来します。
  • ニーラクリンジが 12年に一度、9〜10月に青紫色の花を一斉に咲かせ、山全体を青く染めることから「青い山」と呼ばれるようになりました。

ニーラクリンジの花

ニーラクリンジは12年に一度、9月から10月にかけて青紫色の花を咲かせる植物で、 ニルギリという地名の語源となっています。

ニーラクリンジの花。青紫色の花が一面に咲き誇る様子。
Neelakurinji(ニーラクリンジ) ― ニルギリの語源となった花

地理と気候

  • 位置:南インド、西ガーツ山脈南部。
  • 標高:900〜2,600m。高地茶園が多いです。
  • 気候:温和で湿潤。モンスーンの影響を受けますが、年間を通じて茶栽培が可能です。

ニルギリの位置図

ニルギリはインド南部、西ガーツ山脈の南部に位置する丘陵地帯で、タミル・ナードゥ州、カルナータカ州、ケーララ州にまたがる主要茶産地です。

ニルギリの地図。インド南部、西ガーツ山脈南部に位置する茶産地を示す。
Nilgiri Tea の位置図(インド南部、西ガーツ山脈)

茶葉の特徴

  • 品種:主にアッサム種ですが、高地では中国種系の交雑も導入されています。
  • 風味:爽やかで明るい水色、軽快な渋みと柑橘系の香りを帯びることが多いです。
  • 製法:オーソドックスとCTCの両方が生産されています。
  • 特色:高地産の一部は「フロストティー(Frost Tea)」と呼ばれ、冬季の低温が生み出す独特の甘みが評価されています。

市場での位置づけ

  • インド国内:日常用紅茶として広く消費されています。
  • 輸出:中東・ロシア向けに大量に輸出しています。
  • 特色:香りの軽やかさからフレーバーティーやティーバッグ用ブレンドにも多用されます。

🫖紅茶文脈での使い方

英文: Nilgiri means 'blue mountains,' named after the Neelakurinji flowers that bloom once every twelve years.

和訳: ニルギリは『青い山』を意味し、12年に一度咲くニーラクリンジの花に由来します。

英文: Nilgiri teas are light, fragrant, and often used in blends and flavored teas.

和訳: ニルギリ茶は軽やかで香りがよく、ブレンドやフレーバーティーに多く用いられます。


🔗リンク

タグ: N ニーラクリンジ ニルギリ