酸化(Oxidation)

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概要

酸化(Oxidation)とは、化学における基本的な反応のひとつで、物質が電子を失う過程を指します。
古典的には「酸素と結合すること」が酸化の定義でしたが、現在では「電子を失う反応」としてより広く定義されています。酸化と対になる概念は還元(Reduction)です。


茶葉における酸化

茶葉では、ポリフェノール類(特にカテキン類)が、酵素(ポリフェノールオキシダーゼ等)の作用によって酸化されます。

  • カテキン → 酸化 → テアフラビン(明るい紅色)やテアルビジン(濃い紅色〜褐色)に変化
  • これにより紅茶特有の色合い・渋み・コクが形成されます。
  • 酸化の進行度合いにより、緑茶・烏龍茶・紅茶の区別が生まれます。

酸化と製茶工程

  • 緑茶:蒸熱や釜炒りで酵素を失活させ、酸化を止める(不発酵茶)
  • 烏龍茶:揉捻・萎凋の工程で酸化を部分的に進める(半発酵茶)
  • 紅茶:揉捻後に十分な酸化を進め、完全発酵茶とも呼ばれる

ここで「発酵」という用語が使われますが、実際には微生物発酵ではなく、この酵素的酸化です。


発酵との関係

茶業界では長らく「発酵」という言葉が使われてきましたが、実際に起きているのは酵素的酸化です。
この慣用的表現と科学的な事実の違いについては、「発酵(Fermentation)」 を参照してください。


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