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定義
サルモネラ属菌(Salmonella spp.)は、鶏・豚・牛などの動物の腸管や、河川・下水など自然環境に広く存在する細菌です。ネズミやペット動物を介して食品を汚染する場合もあります。
かつては「食中毒発症には大量の菌が必要」とされていましたが、近年では 少量の菌でも感染・発症が起こる ことが分かってきました。汚染を受けた食品の摂取により感染し、高熱を伴う急性胃腸炎 を引き起こすのが特徴です。
規格・国際基準
- Codex:微生物規格の最重要対象のひとつです。
- ISO 6579-1:食品・飼料におけるサルモネラ試験法が定められています。
- 輸入茶葉の検査対象:一部市場では輸入茶葉に対してサルモネラ陰性の検査証明が求められます。
食品衛生・実務上の留意点
- 汚染源:家畜、野生動物、害獣(ネズミ)、水系。
- リスク食品:鶏卵、食肉、未殺菌乳、スパイス、ハーブ、茶葉などの乾燥食品。
- 茶葉の場合:乾燥していて水分活性は低いですが、原料段階での付着リスクがあるため輸入検査で確認されることがあります。
- 制御方法:加熱殺菌(中心温度 75℃1分など)、交差汚染防止、原料検査などです。
紅茶との関わり
- 茶葉自体は低水分活性で菌が増殖しにくいが、輸入検査対象としてサルモネラ陰性証明を要求されることがあります。
- 特に ハーブティー・ブレンド茶 では動物由来の汚染リスクを考慮し、検査証明(CoA)が求められるケースがあります。
🫖紅茶文脈での使い方
英文: Salmonella can be transmitted through contaminated tea leaves, meat, or water sources.
和訳: サルモネラは汚染された茶葉、食肉、水などを介して伝播することがあります。
英文: Although tea has low water activity, imported tea leaves may be tested for Salmonella contamination.
和訳: 紅茶は水分活性が低いものの、輸入茶葉はサルモネラ汚染について検査されることがあります。
🐻くまの一言
くま自身の現場経験(水産物および水産加工品)では、サルモネラ属菌はほとんど検査対象にならず、大腸菌・一般生菌・黄色ブドウ球菌が中心でした。
それでも輸入茶葉やスパイスの分野ではサルモネラ陰性証明が求められることがあり、業種や製品ごとに「リスクとしての顔の見え方」が大きく違うのだと思います。