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概要
紅茶の歴史は、中国での茶の誕生から始まり、ヨーロッパへの伝来、植民地での拡大、そして現代に至るまで世界の文化と経済に大きな影響を与えてきました。ここではその大まかな流れを整理します。
起源と紅茶の誕生
茶の起源は中国にさかのぼります。古くは薬用や嗜好飲料として緑茶が中心でしたが、明代(14~17世紀)に福建省武夷山で「紅茶」が誕生したと伝えられています。代表的なのが「ラプサンスーチョン」で、これが後の紅茶文化の出発点となりました。
ヨーロッパへの伝来(17世紀)
17世紀初頭、オランダ東インド会社(VOC)が中国や日本から茶をヨーロッパに持ち込んだのが最初とされています。続いてイギリス東インド会社(EIC)が茶の輸入を拡大し、上流階級の嗜好品として広まりました。王侯・貴族を中心に「ティータイム」の風習が芽生え、やがて都市部にも普及していきました。
植民地と茶の拡大(18〜19世紀)
18世紀から19世紀にかけて、紅茶は植民地経済の重要な作物となりました。
- インドではアッサムやダージリンでの栽培が始まり、特にロバート・フォーチュンによるチャノキと製茶技術の導入が決定的な役割を果たしました。
- セイロン(現スリランカ)ではもともとコーヒーが栽培されていましたが、さび病でコーヒー園が壊滅的になり、19世紀後半にジェイムス・テーラーによって成功した紅茶栽培が盛んになり、世界市場に参入しました。
紅茶はイギリス帝国の経済と文化を象徴する存在となり、産業革命と大英帝国の拡張とともに世界中に広がりました。
産業化と世界貿易(19〜20世紀)
19世紀末にはスコットランド出身の実業家トーマス・リプトンが流通革命を起こし、紅茶を大衆が日常的に楽しめる価格へと引き下げられました。缶詰・パッケージ化・広告戦略が成功し、紅茶は「誰もが飲む飲料」へと定着したのです。
現代の紅茶史(20世紀以降)
20世紀には新たな産地(ケニア、タンザニアなどアフリカ諸国)が登場し、世界の茶市場に大きな役割を果たすようになりました。フェアトレードやサステナビリティへの関心も高まり、紅茶は単なる嗜好品から社会的・環境的な意味を持つ商品へと変化しています。
日本でも戦後に紅茶が一般に普及し、喫茶店や家庭で親しまれるようになりました。
🔗リンク
オランダ東インド会社(VOC)
イギリス東インド会社(EIC)
プラントハンター
ロバート・フォーチュン
ジェイムス・テイラー
トーマス・リプトン(Thomas Lipton)
ダージリン紅茶
セイロンティー