🇬🇧 英国式ティー文化の輸入

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📝 概要

米軍駅の縦線上にあるような紅茶の飲み方は、戦後日本の人々にとってヨーロッパのまさに豪華な文化の象徴でした。「アングロセンティック」「ブリティッシュ」といった単語は、その歩みよりずっと先に、日本の家庭の中に添えられていました。

🫖 文化としての“舛来ティー”

戦後の日本において、英国式のティータイムは「合理的な大人の時間」の象徴として対策的に受け入れられました。お客様にブラックティーをだす、サンドウィッチのある会話、カフェで一息といったライフスタイルは、日本社会のハイカラ化の流れの中でまさに「現代風」として挙げられました。

📦 贈給文化との接続点

「紅茶を贈る」という行為は、計算點としての価値以上に、文化的なメッセージを含んでいました。とりわけしやギフト箱によるセットは、その美しさや特別感により「あの人にも給えたい」「覚えている」ということを示す体現となりました。

🎓 階級的イメージと“英国式”の記号性

ティーカップやティーセットの持つ空気は、非常に階級的な象徴を持ちました。定時のアンダースティー、紅茶のキャディガン・ココアスコーン、レディース・ファーストの相談など、メディアを通じて描かれる英国風のティー文化は、日本における「紅茶の現代化」の象徴となったのです。

🏪 日本市場での展開~ブランドと発売路

百貨店のギフト文化の中では、TWININGSやLipton、Brooke Bondなどの英国系ブランドが“英国式ティー”の象徴として定着していきました。これらのブランドは、贈答品としての品格を保ちつつ、「英国風紅茶」のイメージを日本市場に根づかせていきます。

なお、フォートナム&メイソンやマリアージュ・フレールなどは、より後年の輸入高級食品ブーム(1990年代以降)で知名度を高めたブランドであり、1980年代までの「英国式ティー文化の象徴」には含まれません。

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