clonal

clonal(クローナル)とは、ある親株と全く同じ遺伝子(=同じ特徴)を持つ植物のことです。紅茶を含むお茶の世界では挿し木で増やしたチャノキのことをさします。すべて同じ遺伝子を持つクローンで、性質が揃っています。

チャノキは同じ品種同士で受粉させても、種子ができません。このような性質を自家不和合性といいます。なので種子を作るには、他の品種と掛け合わせないと採れないのです。

その為、種から育てても親と同じ木にはならないで、違ったものになります。なので、同じチャの葉を取るために大量に挿し木が行われます。これを続けると茶畑全体にクローンのチャノキが並ぶことになります。日本ではやぶきたという品種が一番多く、そのclonalだらけという状況です。やぶきたは2016年時点での国内栽培面積で見ると75%と圧倒的です。

紅茶では中国種のclonal、アッサム種のclonal、両者を交配させたhybridclonal(ハイブリッドクローナル)があります。DarjeelingのclonalはAV2、B157、P312など有名なものだけでも約30種類ほどあり、それらは各々に特徴を持ちながら共通して、花のような香りと繊細な風味、圧倒的な甘みを特徴として持っています。