Codex CAC/GL 32-1999(有機食品の生産・加工・表示・販売指針)

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定義

Codex が定める有機(オーガニック)食品の国際ガイドラインです。生産・加工・表示(ラベリング)・認証・輸入の枠組みと、許可物質(肥培管理・加工助剤・添加物)、検査・認証の最低要件を示しています。


目的

消費者を虚偽表示から保護し、正当な有機生産者を守り、国際貿易での整合性と同等性を確保することです。


範囲と構成(引き方のコツ)

セクション1–7

定義/表示・クレーム/生産・加工ルール/許可物質の基準/検査・認証/輸入。

附属書

  • Annex 1:有機生産の原則(作物・畜産・加工・保管・包装・輸送)。
  • Annex 2:有機で許可される物質一覧(施肥・病害虫管理、加工用の添加物・助剤など)。
  • Annex 3:検査・認証の最低要件(生産・包装施設、輸入ロット等)。

表示(ラベリング)の要点

  • 有機表示を行うには:GL32の要件(生産・輸入)遵守+認証機関の監督下であること、認証機関名/コードの記載などが必要です。
  • 単一原料と複合原料で要件が異なります。複合品は、農産物由来の全原料が有機であることを基本とし、非有機原料の例外は最大5%(塩・水除く)までの条件付きです。
  • 95%/70%ライン:各国制度が<95%の有機含有率の表記方法を定める際の参照指針として、95%と70%の考え方が示されます(フロント表示は割合参照等の条件)。※最終ルールは各国で上書きされ得る。

実務では「有機○○(例:Organic Black Tea)」は農産由来原料の95%以上が有機であることが基本線です。70–95%帯の表記は国別規制を確認することが必要です。


紅茶・ハーブティーへの適用ヒント

1.製品のタイプを特定

単一原料:リーフティー/ティーバッグの有機紅茶。
複合:フレーバードティー(ハーブ・果皮・香料を含む)やRTD(清涼飲料)。

2.原料管理

茶葉・乾燥ハーブ・スパイスは有機認証の証拠(CoI、トレーサビリティ)をロットで保持。Annex 2の許可資材と整合。

3.加工・添加物

複合製品は Annex 2(Table 3/4)の添加物・加工助剤に適合(国により上書きあり)。香料はGL66(香料指針)とGSFA側のGMP/MPLも併読。

4.表示実務

ラベルに認証機関名/コードを明記。原材料欄の順序・同一成分の二重由来禁止等の要件に注意。

5.検査・認証

Annex 3準拠の監査・記録・入出荷管理。輸入品は輸入時の認証確認(同等性)をセットで。


よくある落とし穴

  • 「天然」「無添加」= 有機と誤認しない(根拠は有機生産体系+認証)。
  • 70–95%帯の表記は国別ルールに従う(Codexは指針として例示)。日本・EU・米国で用語・ロゴ要件が異なる。

関連Codexとの関係

CXS 1(一般表示規格):全ラベル規則の土台です。GL32の表示条項はCXS 1を前提に適用されています。

CXG 66(香料指針)/CXS 192(GSFA):フレーバードティー等の香料・添加物は両者で確認が必要です。


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