Codex CXG 90-2017(加工食品におけるGMPの一般指針)

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🏷️ Codex CXG 90-2017(加工食品におけるGMPの一般指針)

正式名称:Codex General Principles of Food Hygiene (Annex on Good Manufacturing Practices)
制定機関:FAO/WHO Codex Alimentarius Commission
制定年:2017年(前身文書からの改訂統合)

📘 概要

Codex CXG 90-2017は、食品の製造・加工・包装・保管など、すべての工程における「GMP(Good Manufacturing Practices:適正製造規範)」の基準を国際的に提示する指針です。

この規範は、以下のような場面で重要となります。

  • 工場レベルでの衛生・品質管理の基準設定
  • HACCP導入前段階としての前提条件プログラム(PRP)
  • 各国のGMP法令(日本、EU、米国等)のベースライン

紅茶やハーブティーも、加工・包装・販売段階においてこのGMPに従うことが推奨され、国際流通時に「安全である」ことの証明基準として重視されます。

📌 主な構成要素と紅茶への応用例

Codex CXG 90-2017 主な構成要素と紅茶への応用例
Codex CXG 90-2017 主な構成要素と紅茶への応用例

🧭 Codex CXG 90と他制度との関係

  • ISO 22000(食品安全マネジメントシステム)
    GMPはこの中の前提条件プログラム(PRP)として組込。
  • HACCP(危害分析・重要管理点)
    GMPはHACCP導入前に整備すべき基本。
  • Codex CXS 1-1985
    表示義務の根拠。製造記録との整合性が必要。
  • Codex CXS 12-1981
    添加物使用の条件もGMP管理下に置かれる。
  • Codex CXC 1-1969
    一般衛生管理基準(GHP)の上位規範
  • 日本の食品衛生法(衛生管理計画のベース)
    Codexに基づいた義務化が進行中。
  • EU食品安全指令(EC 852/2004)EU域内の衛生・工程基準
    Codex CXG 90に沿って設計されている。

🧪 紅茶への具体的適用

  • フレーバーティー・加糖紅茶などの製造施設では必須。
     → 異物混入、香料の濃度管理、糖分添加量、表示内容の適正化。
  • 単一茶葉(ピュアリーフ)でも、輸出向けはGMP対応が求められる場合あり。
     → 特にISO 22000認証工場や、有機JAS認証との組み合わせで評価対象になる。
  • 「原材料に香料が含まれる紅茶」は、アレルゲン・化学物質管理の観点でより厳密なGMP対応が求められる可能性あり。

📎 紅茶業界での実務的意義

  • 輸出認証(例:EU、中東、ASEAN)において、GMP準拠がしばしば求められます。
  • 有機紅茶・香料ブレンド・デカフェ等の「加工系商品」には適用範囲が広いです。
  • バルク茶葉をリパックする国内業者にもGMPが法的に要求される流れがあります(日本の制度改正により)。