FOB

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概要

FOBはFree on Boardの略です。読み方はエフ・オー・ビーです。日本語訳は本船渡し条件です。

指定した積出港で貨物を本船に積み込むまでの費用・通関・リスクを売主が負い、本船に積み込まれた瞬間にリスクが買主へ移転する海上輸送向けの取引条件です。

・同義/別表記:本船渡し


関連規格/典拠

・ICC Incoterms® 2020(海上・内航水路用条項)
・契約書への明記例:「FOB Colombo, Incoterms® 2020」


目的/機能

海上輸送での費用負担とリスク移転点の明確化です(装船港・本船甲板上)。


範囲/定義境界

対象は海上/内航水路。売主は輸出通関と本船積込みまでを負担します。買主は本船以降の海上運賃・保険・到着地での諸費用を負担します。


類似/対比

  • FCA(Free Carrier):コンテナ貨物やターミナル引渡しに適合しやすい。FOBは在来船バルク/在船積向き。
  • CFR/CIF:FOBに海上運賃(CFR)、さらに保険(CIF)を加え売主が手配。

実務メモ

契約では装船港の明示(例:FOB Colombo)とIncoterms® 2020の明記が推奨されます。B/L発行やカットオフの責任区分も事前合意が安全です。


歴史的背景

港湾のコンテナ化以降、コンテナ貨物はFCAが推奨される場面が増加しています。FOBは依然として在来船や産地慣行で用いられています。


ポイント

  • 貨物が本船に積み込まれた瞬間に、リスクが売主から買主へ移転します。
  • 海上輸送が対象です(インコタームズ2020の定義により)。

紅茶との関係

  • 「FOB Colombo」と書かれていれば、スリランカ側はコロンボ港で紅茶を本船に積み込むまでが責任範囲です。
  • それ以降の海上輸送・保険・通関は日本の輸入者の負担になります。

🫖紅茶文脈での使い方(英語短文)

英文: FOB Colombo means the seller loads the tea on board at Colombo; freight and insurance are for the buyer.

和訳: FOBコロンボは、コロンボ港で本船積込みまでが売主、海上運賃・保険は買主負担を意味します。

英文: Risk passes to the buyer once the tea is on board the named vessel.

和訳: リスク移転は、紅茶が指定本船に積み込まれた瞬間です。

英文: For containerised tea at terminals, FCA may be a better fit than FOB.

和訳: ターミナルでのコンテナ紅茶には、FOBよりFCAの方が適合する場合があります。


🔗リンク

CIF
CIFと FOBの比較