HSコード

HSコードはHarmonized System Codeのことです。読み方はエイチエス・コードです。
日本語訳:調和システム(統一商品分類)コード
正式名称:Harmonized Commodity Description and Coding System(HS)

概要

HSコードは、国際貿易で使われる統一された品目分類番号のことです。
世界中のほぼすべての国で使われており、関税の計算・統計データ・輸出入管理などに用いられます。

  • 世界税関機構(WCO:World Customs Organization)が管理。
  • 原則として「6桁」が国際共通。
  • 各国が必要に応じて「7桁目以降」を追加(例:日本では9桁、米国では10桁など)。
紅茶のHSコード例
紅茶のHSコード例
※上記は国際的な6桁コード。日本ではさらに詳細な分類(9桁)があります。

紅茶との関係と重要性

  • 通関書類に必須:インボイスや税関申告書に記載。
  • 関税率が決まる:コードによって課税率が変わる。
  • 輸入制限・検疫対象品かの判断:輸出入許可、検疫の有無もこのコードで決まる。
  • 統計処理:日本や他国の紅茶輸入量・貿易額の統計にも使用。

実務での例

例えば、スリランカから500kgの紅茶(バルク)を輸入する場合

  • インボイスの「品名」欄に「Black Tea in bulk」と記載し、
  • 「HSコード」欄に「0902.30」と記載。
  • 日本の税関はこのコードに基づき、紅茶に該当するか、検疫や関税率を判断。

紅茶のHSコード(基本構造)

紅茶に関するHSコードは、通常以下のように分類されます:

  • 0902.10:無発酵またはわずかに発酵した緑茶(未加香)
  • 0902.20:発酵した紅茶および部分的に発酵した茶(未加香)
  • 0902.30:香り付き茶(flavored tea)
各国における代表的なHSコード分類
各国における代表的なHSコード分類

補足情報

  • 各国で関税率や輸入要件は異なるため、各国の税関サイトやFTA協定を参照するのが確実です。
  • 日本の税関データベース:税関 Tariff Schedule
  • アメリカ:HTSUS
  • EU:TARIC
  • FTA/EPA利用時には、HSコードとともに原産地証明(COO)や関税分類確認書類が必要です。
  • 各国で追加条件(ラベリング義務、認証マーク、衛生証明など)が発生することもあります。

リアルタイムのHSコード照会や、特定商品の詳細確認が必要な場合は、各国の通関サイトまたは「JETRO(日本貿易振興機構)」のデータベースの活用がおすすめです。