ISO

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ISO(国際標準化機構)

目的

国際間の製品・サービス・管理体制の品質を標準化することで、貿易の円滑化、安全性の向上、そして消費者保護を実現することを目的としています。

起源・背景

ISO(International Organization for Standardization)は、1947年に設立された国際的な非政府機関で、本部はスイスのジュネーブに置かれています。第二次世界大戦後、国際貿易の拡大に伴い、「各国で異なる規格」が貿易の障壁となっていたことから、産業や生活のあらゆる分野で共通の基準を策定するために創設されました。

設立当初から、工業製品(ネジ、紙、計量単位)だけでなく、環境、情報セキュリティ、食品安全、医療などへと対象範囲は広がっていました。ISOは、国家標準機関(例:日本のJISC)をメンバーとし、合意形成を経て発行される「自主的基準」でありながら、法的な根拠を持たずとも事実上の国際基準として広く使用されています。

主な活動分野の例

  • 製造業:寸法、素材、機械、安全管理
  • 医療:医療機器管理(ISO 13485)
  • 情報技術:情報セキュリティ(ISO/IEC 27001)
  • 食品:食品安全(ISO 22000)、紅茶規格(ISO 11287)
  • 環境・エネルギー:環境マネジメント(ISO 14001)、エネルギー効率(ISO 50001)

規格の分類(大きく2種)

  • モノ規格:製品やサービスそのものの品質、安全性、機能性に関する基準(例:ISO 11287 紅茶の分類、ISO 216 紙サイズ規格など)
  • マネジメントシステム規格:組織の運営体制や業務プロセスを対象にした基準(例:ISO 22000 食品安全管理、ISO 9001 品質管理など)

運用上の意義

  • 国際貿易の共通言語として、製品やサービスの信頼性を保証する
  • 多国籍企業・サプライチェーンにおいて、品質・安全・効率の基準を統一できる
  • 認証制度(第三者による審査)を通じ、消費者や取引先に対して信頼を可視化できる

備考

ISOは、私たちの暮らしのいたるところに静かに息づいている“生活のインフラ”とも言える存在なのです。意識されることは少ないですが、普段の生活で問題が起こらないように機能している規格の多くが、ISOによって支えられているのです。

ISO規格は身近な生活のあらゆる場面に浸透しています(A4用紙のサイズ、クレジットカードの寸法、ねじの規格、ディスプレイの視認性基準など)。

特に紅茶に関しては、「ISO 3103(標準抽出法)」「ISO 11287(紅茶の品質分類)」など、消費者が日常で意識しないレベルで品質維持の役割を果たしています。