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🏣 MINTONとは
MINTON(ミントン) は、18世紀後半から20世紀にかけてイギリスを代表する陶磨器メーカーの一つであり、紅茶文化・陶磁器の歴史に多大な影響を与えたブランドです。
📂 基本情報
創業者:Thomas Minton(トーマス・ミントン)
所在地:イングランド・ストーク=オン=トレント(陶磨器の名産地)
代表製品:陶磨器製のディナーセット、ティーセット、ボーンチャイナ
終了年:2015年(ブランド廃止)
📜歴史
🏛️創業
Queen Victoria (ヴィクトリア女王)に『世界で最も美しいボーンチャイナ』と称されたMINTON (ミントン)は、1793年に腕の良い銅版彫刻師であったThomas Minton (トーマス・ミントン)が創業した陶磁器会社で、その後180年にわたって家族経営が続けられました。
🔺 衰退とブランド消滅
しかし、1973年にRoyal Doulton (ロイヤルドルトン)の傘下に加わり、2015年Royal Doultonがフィンランド企業、Fiskars (フィスカース)に買収され、その時にMINTONブランドは廃止されました。このようにしてMINTONは消えてしまったのです。
🎨 特徴と功績
👑ヴィクトリア朝の気品のよいスタイル
19世紀のヴィクトリア朝時代に隆盛を極め、王侯貴族御用達のブランドとして知られました。ヴィクトリア女王からは『世界で最も美しいボーンチャイナ』と称賛されたと伝えられます。
🏺セーヴル焼の技術導入
フランスのセーヴル焼に学び、「セーヴル構成」のモデルと進化によって、ロココ構成や新古典主義スタイルの陶磨器を多数生産。
🪷ジョン・ワズワースとハドンホール
1948年にJohn Wadsworth(ジョン・ワズワース)がデザインした Haddon Hall(ハドンホール) は、その代表的なシリーズとして長く愛されました。

✴️ミントン・タイル
実は床や壁に使う装飾タイルの分量でも先駆者的存在でした。英国国会議事堂や海外の政府建築でも使用されています。

🍽️ 紅茶との関係
アフタヌーンティー文化の名脇役MINTONは、紅茶を楽しむための精細なティーカップ&ソーサーセットのデザインで有名です。美しく細やかな絵付けが特徴です。
ティーセットの芸術品的価値特に金彩とコバルトブルーの組み合わせや「ハドンホール(Haddon Hall)」シリーズなどは、コレクターに愛されています。
貴族の社交文化を支えた器王宮や上流階級のサロン文化の中で、ミントンのティーセットは格と美の象徴でした。
🕊️現在
アンティーク市場での人気現実に残る製品、特にヴィクトリア朝後期の作品や19世紀半ばのファインボーンチャイナ製は、今も高値で取引されています。
またMINTONブランドとしては、
- 紅茶:共栄製茶株式会社(大阪市)
- カトラリー:株式会社サクライ(新潟県燕市)
- ファブリック:株式会社川島織物セルコン(京都市)
が、ライセンス取得をして今も製造販売されています。全て日本製です。