セイヴォリー
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定義
セイヴォリー(Savoury)とは、紅茶、とくにアフタヌーンティーにおいて提供される甘くない料理・軽食の総称です。
サンドイッチを含む、塩味・旨味を中心とした料理群を指し、甘味(スイーツ)と明確に区別されます。
表記のゆれ
「サヴォリー」という表記
日本語では「サヴォリー」と表記されることもありますが、発音に忠実なのは「セイヴォリー」です。
なぜ「サヴォリー」が流通したかというと、これは文化史的事情からなのです。
savoureux(仏):サヴルー(ズ)
↓
savoury(英):セイヴォリー
↓
savory(米):セイヴォリー
という変化によってできた言葉がセイヴォリーなのです。
そして日本に入ってきた時に、この 仏→英→和 の多重翻訳で、
- フランス語の sa-vo- の視覚的印象
- フランス料理用語カタカナ慣習
が混ざってしまい、サヴォリー という音ではなく綴りベースの和製語感が生まれました。ですから、この言葉は「セイヴォリー」で覚えておくべきです。
発音について
ちなみにIPA(国際音声記号)で書くと
- /ˈseɪvəri, ˈseɪvri/(英)
- /ˈseɪvəri/(米)
となり、基本的に同じ発音です。英語話者の耳には -our- / -or- はどちらも /ə/ として処理されます。ですから、savoury と savory は、耳で聞いて区別できない、というのが現実です。
ただし、地域差と弱化の度合いという小さな違いがあります。話者によっては語尾が
- /ˈseɪvri/
のように ə が弱く落ちることもあります。
スペリングについて
紅茶文化的にアフタヌーンティー文脈では、
- savoury(英)表記が自然
- savory(米)表記は理論上正しいが文化的距離がある
ということになります。なので、本辞典では “savoury” 表記を基準とします。
紅茶文化におけるセイヴォリーの役割
セイヴォリーは、紅茶の席において次のような役割を担います。
- 空腹を和らげる
- 紅茶の渋味・香りを受け止める
- 甘味へ移行するための土台を作る
つまりセイヴォリーは、紅茶と甘味をつなぐ「緩衝帯」です。これがあることで、甘い菓子が重くなりすぎず、紅茶も飲み続けることができるのです。
セイヴォリーに含まれる代表例
紅茶文化で「セイヴォリー」と呼ばれるものには、次のような例があります。
- サンドイッチ
- キッシュ
- タルトレット(塩味)
- チーズを用いた軽食
- 小さなパイ類
共通点は、
- 一口〜数口で食べられる
- 香りや脂肪分が控えめ
- 紅茶の香味を邪魔しない
という点です。
サンドイッチとの関係
サンドイッチは、セイヴォリーの中でも最も基本的で象徴的な存在です。そのため、
セイヴォリー:上位概念
サンドイッチ:代表的な下位項目
という関係になります。
甘味との明確な切り分け
紅茶文化では、
- セイヴォリー(甘くない)
- スイーツ(甘い)
を明確に分けて考えます。これは好みの問題ではなく、味覚疲労を避け、紅茶を最後まで楽しむための設計なのです。
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