Tea clipper

Tea clipper (ティークリッパー)には、大きく分けて2つの意味があります。

一つは、中国からイギリスへ紅茶を運ぶために使われた、アメリカで開発された大型の快速帆船のことです。”clipper (クリッパー)”は、「軽快に走る」という意味で、この帆船は従来の帆船よりも格段に速く、かつ多くの荷物を積むことができました。

“clipper”はアメリカのニューイングランドで生まれ、風を可能な限り多く集める為に、2~3本のマストを高くして帆を張り、それに加えて多くのマストと帆を持っていました。また、横風をも推力に変えるジブという横張りの三角帆、浅い船底と鋭い船首、そして積載量よりも速度を重視していたことから、一般的に全長に比して狭い船体なのが特徴です。代表的な船として、カティーサーク号やオリエンタル号が知られています。ちなみにスコッチウイスキーのカティーサークはこの船の名前から取られています。くまはカティーサークのオンザロックが好きです。

もう一つは、その帆船を使った”Tea Race (ティーレース)”と呼ばれる、中国からの紅茶をいち早くイギリスに運ぶ競争のことです。アメリカで開発されたTea clipperの性能が、イギリスの船を驚かせ、その輸送速度をめぐる競争が激化しました。この競争はイギリスではファンクラブや賭け、賞金などもつき、熱狂的な人気を博しました。

Cutty Sark (1869)
Cutty Sark (1869)