SPS協定

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📘 正式名称

Agreement on the Application of Sanitary and Phytosanitary Measures
(衛生及び植物検疫措置の適用に関する協定)

📌 概要

SPS協定は、食品の安全性や動植物の健康保護を目的とした衛生(Sanitary)および植物検疫(Phytosanitary)措置に関する国際的なルールです。WTO(世界貿易機関)協定の一部として、貿易に不必要な障壁を作らないことを原則に定められています。

📌 主な内容

  • 適用範囲:輸入食品・農産物・動植物製品などに対する安全性確保措置
  • 科学的根拠:SPS措置は、科学的リスク評価に基づいて設計される必要がある
  • 国際基準の尊重:Codex(食品)、OIE(動物)、IPPC(植物)等の基準が推奨される
  • 透明性:措置の通知、根拠の公開、他国との協議義務などを定める
  • 差別の禁止:自国と他国に対して差別的な扱いをしない(最恵国待遇の原則)

紅茶との関係

紅茶の国際流通において、SPS協定は極めて重要な枠組みです。

  • 貿易時の紛争調整:輸入規制が科学的根拠に欠けるとみなされた場合、SPS協定に基づく紛争処理(WTO DSB)で是正が求められる場合があります。
  • 残留農薬基準(MRLs):EUや日本などの輸入国は、自国の最大残留基準をSPS措置として設定し、科学的根拠が求められます。
  • カビ毒(例:アフラトキシン):乾燥茶葉に微量でも検出されると、輸入停止や再検査の対象になる。これもSPS協定に準じた安全管理の一部です。
  • 植物検疫(検疫証明):輸出国では、病害虫のリスクを防ぐための植物検疫証明が必要となり、輸入国でのサンプリング検査も含めて制度化されています。

📚 参考機関

✍️ 備考

SPS協定は、単なる食品基準の枠を超え、「食品と貿易のバランスを取る国際法」として機能しており、紅茶やハーブティーといった農産加工品の国際取引においても、残留物質・病害リスク・表示要件などに密接に関係します。