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London Classic Tea
London Classic Tea (ロンドンクラシックティー)は、英国の有名なティーブレンダー、Leslie Stuart (レスリー・スチュアート/1901-1957?)氏による紅茶です。レスリー・スチュアート氏はイギリスの伝統的なブレンド技術を受け継ぐブレンダーとして、紅茶の世界では有名な人物です。インドやスリランカなどの紅茶の生産国から、原料の茶葉が輸入されて、ティーブレンダーによって、茶葉や色、香り、味わいがチェックされるのです。ティーブレンダーの卓越した知識と想像力が、とびきりおいしいブレンド紅茶を生み出すといっても過言ではありません。
という紹介がいくつかの本でなされています。しかし、どのメーカーによるものか、そもそも「レスリー・スチュアート氏」とは誰なのか、どんなに調べてもさっぱりわかりません。そこで日本の総輸入元として表記されている豊産業株式会社様に問い合わせをさせて頂きました。その結果は以下のようなことでした。
まず、London Classic Teaは10年以上前に販売終了となっているそうです。そして、豊産業株式会社様が原料を輸入して、日本でパックしていた商品で、当時、商標も同社が取得していて、イギリスで同じブランドで販売されていたものではなかったそうです。もう入手することはイギリスで売っていたかもしれないものも含めて不可能な紅茶です。以下は豊産業株式会社様から当時のカタログが残っていたので、ということで頂いたものをくまが画像形式に変換したものです。
ようするに、純日本製ということでした。「英国の名ブレンダーのレスリー・スチュワート」さんは商品イメージのために創作された可能性が極めて高いです。でも『紅茶 TEA HANDBOOK』(谷口安宏監修 永岡書店1997)とか、当時の紅茶の本には確認取らないでそのまま載せているものが多いのはおもしろいです。この当時、こういう架空の名匠たちが多かったのです。時代ですね。

くま家にあったLondon Classic Tea
Victorian Age (ヴィクトリアンエイジ)
ヴィクトリア時代のブレンドを当時の「指示書」を元に再現したものとされていました。くまが飲んだのはだいぶ前なので、記憶に頼っての記述になることをご容赦ください。
ミドルボディのブレンドでグレードはBOPだったと思います。
インドのアッサムとスリランカのセイロンティーをブレンドしたもので、ストレートティーで飲むのが良かったように思います。ミルクティーやレモンティーにすると香りがレモンやミルクに負けてしまい、せっかくの風味がもったいないことになってしまったと記憶しています。
ただ、はっきりと憶えているのは、苦みがなく、渋みも少なく、良い意味でくせがなく、でもしっかりとしたコクがあり美味しい紅茶だったということです。ある意味こうした紅茶が日本でパックされていたということは貴重だったと思います。
