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The Chelsey Tea Selection
The Chelsey Tea Selection社 (チェルシーティーセレクション/以下Chelseyと表記)はスリランカのTea Brandです。Chelseyの紅茶はスリランカで梱包され、輸出されているようです。輸入者はコルドンヴェール株式会社というイオンとやまやが半々で出資した会社です。この会社はワインを中心にしたイオンとやまや専用の輸入会社のようです。しかしこの会社、何が素晴らしいかというと1枚ペらのホームページの一番下のCompany Profileに
◇商品に関するお問合せは、ご購入いただいた店舗までお問合せください。
と見事にというか、潔くというか、爽やかにというか、ともかく説明責任を完全放棄しています。そこでChelseyの缶の表記を元に調べてみました。
それでわかったことは、Dilmah (ディルマ)のブランドで知られる、スリランカのMJFグループがパッカーとして表記されていました。そこでMJFの公式サイトに当たったのですが商品情報もChelseyについても何もありませんでした。しかし、チェコ共和国のドメインのDilmahのオンラインショップのサイトには今のChelseyのパッケージの紅茶と緑茶が(品切れとはなっていますが)載っています。
更に調べて行くとMJFグループの子会社であるMJF export社はCeylon Tea (スリランカ産のCeylontea奈良どこの農園のものでも)のPrivate Label Packaging (オリジナル商品のパッケージを代わりに作ってあげる)の業務も行っています。ここではスリランカの茶葉をティーバッグにしたり、オリジナルブランドとして売り出せるように缶や袋のデザイン、製造、パッケージングまで全てを請け負っています。
こうしたことからおそらくChelseyは、自分たちで作った紅茶のパッケージングなどの一切をMJF export社に委託していたのではないかと考えられます。そして、何時からかはわかりませんが、自力でパッケージングなどができるようになったので、独立して現在に至っていると考えられます。ただ、独立も双方が納得かつ友好的に行われたものではないかと、考えられます。そしておそらくこの切り替え時に社名から「The」がとれて現在の Chelsey Tea Selectionという社名になったのではないかと思います。
※もし事情をご存じの方がいらっしゃったらぜひお教えください。
くま家にあるChelsey Tea Selection
The Chelsey tea selectionのリーフティーはThe Classicsシリーズで3種類がラインナップされていました。紅茶棚を確認したら、The Classicsシリーズは全てありました。尚、今は全て廃盤です。
English Traditional Deluxe
ベルギーの画家David Emile Joseph De Noter (デヴィッド・エミール・ジョセフ・ド・ノート/1818–1892)の「Taking Tea」の絵が描かれた缶に入っています。なぜか本来の絵とは全てが逆になってしまっていて、印刷する時に裏返しに刷ってしまったのではないかと思われます。
クセが無くあっさりとしたセイロンティーらしい紅茶です。香りと風味のバランスはとれていると思います。水色はかなり濃いです。味は悪くありません。普通に飲む分には十分な紅茶だと思います。
「Traditional」とか「English」という言葉は紅茶の世界では「水色の濃い紅茶」を表すことが多いので、その意味では正しいネーミングなのかもしれません。茶葉はダストに近いブロークンであまり良い葉ではないように感じました。


English Afternoon Tea
イギリス人の画家Thomas Barrett (トーマス・バレット/1845–1924)の「Summer Afternoon Tea」の絵が描かれた缶に入っています。
中程度の濃さのお茶です。茶葉はダストに近いブロークンで水色は濃いめです。香りは強いです。缶には「スッキリした味わい」と書いてあるのですが、渋みが多少強く出ているのでミルクティーにするのがよさそうな紅茶です。ただ、味はそんなに悪くありません。茶葉を心持ち減らして淹れてみたら、ストレートでもそれなりにおいしく頂けました。
あと、不思議なのがこの缶は基調が綺麗な緑色なのですが、写真にすると水色になってしまいます。ここの写真も水色っぽいですが、本物は緑です。


Earl Grey
イギリス人の画家Jonathan Pratt (ジョナサン・プラット/1835-1911)の1871年作の「The latest intelligence」が描かれた缶に入っています。
「アールグレイの優雅さを備えた濃厚でコクのあるお茶です。上質なアールグレイの特徴である際立った香りと 柑橘系の香りが特徴です。」
と、缶には書いてあります。
実際にはセイロンティーにベルガモットの香料を付けた、いわゆる一般的なEarl Greyです。茶葉はやはりダストに近いブロークンでEarl Greyとしては水色が濃いように感じます。くまの正直な感想は「可もなく不可もなく」という感じです。本当に「普通のEarl Grey」です。ただ、砂糖などとの相性は良いように思いますので、甘いアイスティーが好みの方には、この紅茶で作ったアイスティーはおいしいと思われると思います。ただ、若干渋みが気になるかもしれません。

