fermentation(発酵)
🗂️ Term: fermentation
🏷️日本語訳(Translation): 発酵
📘 定義: 紅茶などの茶製造工程における「発酵」を伴う工程。厳密には酸化酵素反応なので「酵素発酵」に近い。
📚 分類: 茶の分類・製法(tea-processing)
📖 登場規格:ISO 6078(茶用語定義)、ISO 11287(緑茶)、ISO 11288(紅茶)
📝 定義(Definition)
「Fermentation(ファーメンテーション)」とは、発酵と訳されます。しかし実際は、茶葉が製造される過程で酵素の働きにより成分が酸化する工程を指します。ここで使われる酸化酵素は主にポリフェノールオキシダーゼです。
この工程では、茶葉の色や香り、味わいが大きく変化し、紅茶や烏龍茶の個性を決定づけます。
📚 説明・背景(Explanation / Background)
🔹紅茶製造における発酵(Fermentation)は、「酸化」そのものです。しかし茶業では伝統的に“発酵”という訳語が流通してきました。科学的には、酸素と酵素によるポリフェノールの酸化反応です。ですから、「酵素酸化」という表現がより正確です。もっとも、日本では法律用語として未だに「発酵」と明記されているので発酵という言葉も使わざるを得ません。
🔹この用語は国際的な茶業界でも長く使われてきた歴史があります。しかしより正確な表現としては「酵素的酸化(enzymatic oxidation)」または「ポリフェノールの酸化」と言い換えるのが適切です。事実、国際的には「酸化(oxidation)」の方がポピュラーになってきています。
🔹この工程で、茶葉の色が緑から赤褐色に変化し、特有の香気成分(例:テアフラビンやテアルビジン)が生成されます。これにより紅茶特有の味わいや香りが生まれます。
🔹紅茶・烏龍茶・白茶など、発酵度合いにより茶の種類が分類されます。そして、この分類は「酵素酸化の進行度」によるものです。
💡酸化発酵という言葉
一部日本語文献では「酸化発酵」とも書かれています。しかし、実際には酵母や細菌の働く発酵でもないし、酵素による酸化なのです。つまり、どっちつかずで不正確な表現でしかありません。もし「酸化発酵」と言う人に出会ったら「酸化だって知っていることを自慢したい人なんだな」と生暖かい目で見てあげましょう。
🧪 関連属性・補足情報(Attributes / Notes)
- 対象:主に紅茶、烏龍茶、白茶など
- 参照規格:ISO 6078(用語定義)、ISO 20715:2023(分類基準)
- 酸化酵素:ポリフェノールオキシダーゼ(PPO)
🔍 関連用語
- Oxidation(酸化)
- Withering(萎凋)
- Enzymatic Reaction(酵素反応)
- Black Tea(紅茶)
- Oolong Tea(烏龍茶)
🫖 紅茶文脈での使い方(英和例文)
🔸The level of fermentation determines the character of the tea.
(酵素酸化の度合いが茶の性格を決定づける。)
🧪 国際的現場では
国際的には、「fermentation(発酵)」よりも「oxidation(酸化)」という用語の使用が広がっています。これは酵素によるポリフェノールの酸化反応であることが科学的に明確になってきた為です。また、ISOや各国茶業界でもこの傾向は強まっています。ですから今後の用語整理の際には「oxidation」の視点が重要になります。
🧪 関連属性・補足情報(Attributes / Notes)
- 関連工程:萎凋(withering)、揉捻(rolling)、酸化(oxidation)
- 登場規格:ISO 6078(茶用語定義)、ISO 11287(緑茶)、ISO 11288(紅茶)
🔗関連リンク
・発酵(Fermentation)『紅茶用語辞典』
・Fermentation – Britannica(一般的な、生化学的な発酵について)
・Black Tea Processing – Britannica(発酵茶とそのプロセス)
・Fermented tea (post‑fermented tea) – Wikipedia(oxidizedとは異なる発酵茶の概念)