round(角の取れた・まろやかな)

🗂️ Term: round
🏷️ 日本語訳: 角のとれた(まろやかな)
📘 定義: 味や香りに突出やとがりがなく、全体として滑らかに調和している状態。
📚 分類: テイスティング用語(tasting-terms)
📖 登場規格: ISO 6078 では直接定義されていないが、国際的なテイスティング語として定着。


📝 定義(Definition)

「round」は紅茶の味や香りにとがりや強さが感じられず、全体が穏やかでなめらかにまとまっている状態を指します。

具体的には口当たりに刺々しさがなく、酸味・渋み・苦味・甘味などの味要素が均質にまとまっているときに用いられます。

また、「バランスがとれている」「滑らか」「調和している」という表現が近く、「突出がないこと」が肯定的に評価されている語です。日本語では「角のとれた」味と翻訳しておくと英語話者と感覚的な滑らかさ・均質さの具体的イメージが共有しやすいです。


📚 説明・背景(Explanation / Background)

  • 「round」は形状を示す語から転じて、味覚のなめらかさや滑らかさを表すようになったものです。
  • テイスティングでは「sharp」「astringent」「thin」などの強調的・刺激的な要素がないことを前提に使われます。
  • 特にバランス型の紅茶につかわれますが、渋みのある茶葉に対しても「調和している」と感じられた際には使われることがあります。
  • アッサムやセイロンのブレンドティー、あるいはダージリンの2nd flushなどでよく用いられます。

🧪 関連属性・補足情報(Attributes / Notes)

  • 対比語:sharp(とがった)、astringent(渋い)、thin(薄い)、rough(荒い)
  • 関連語:smooth(なめらかな)/balanced(バランスのよい)/mellow(円熟した)
  • よく使われる組み合わせ
    • round and mellow(角のとれたまろやかさ)
    • a round cup with good body(厚みのあるバランスよい味)

🫖 紅茶文脈での使い方(英和例文)

【基本例文】

  • The liquor is round and smooth.
    (味わいに角がなく、なめらかだ。)
  • A round cup with no bitterness.
    (苦味のない、角のとれた味わい。)

【応用例文】

  • The tea has a round, mellow flavor.
    (この紅茶は角のとれたまろやかな風味をもっている。)
  • A round liquor with no harsh notes.
    (苦味や刺激がなく、なめらかで調和のとれた水色。)

🧸 くまの一言

「角のとれた紅茶」という言葉には、職人の手仕事や長年の経験のような静けさがあります。突出も、誇張もない。けれど、何杯でも飲める。そんな紅茶こそが、本当に人に寄り添うのかもしれないですね。

ちなみにこの言葉、実際の実務的な場面で出くわしたときは「角の取れた」一辺倒でイメージしていけば大丈夫です。逆に本などを翻訳する際には「角の取れた」を基本義にしながら言葉を自由に遊ばせてください。


🔗 リンク(内部・外部)

  • [smooth(なめらかな)]
  • [balanced(バランスのとれた)]
  • [mellow(まろやかな)]
  • [astringent(渋い)]
  • [sharp(とがった)]