aroma cap(香りの層)

🗂️ Term: aroma cap
🏷️ 日本語訳: アロマキャップ(香りの帽/アロマの層)
📘 定義: 抽出時に茶液やカップの上部に形成される、揮発性香気成分が集まった香りの層。
📚 分類: テイスティング用語
📖 登場規格: とくになし(紅茶・ハーブ業界の実務語)


📝 定義(Definition)

aroma cap とは、紅茶やハーブティーなどの抽出時に、茶液の表面から立ち上る香気成分がカップの上部に滞留し、香りの層を形成する現象・またはその層自体を指す語です。
とくに高品質な茶葉では、香りが持続的に立ちのぼり、この「香りの帽子」のような層が感じられることがあります。


📚 説明・背景(Explanation / Background)

この語は元々アロマセラピーやハーブ業界で使われてきましたが、近年は紅茶のテイスティングや商品説明でも登場するようになっています。

  • 香気の凝集・保持力の指標として評価される
  • 香りが「散ってしまう」より「とどまる」印象を与えることが良いとされる
  • 主に上級品やフレーバードティーの評価語として使われる

📦 使用例

「このウバは抽出時にアロマキャップがよく立ち、メントール香がカップに長く残ります」


🧪 関連属性・補足情報(Attributes / Notes)

  • 「香りのふた」「香りの膜」などと意訳されることもあります。
  • ハーブティーでは芳香療法的効果を意識する文脈が多いようです。
  • 紅茶では香気の滞留と立ち上がりの調和を示す用語として使われています。
  • 器(カップやティーボウル)の形状もアロマキャップ形成に大きく影響する
    → 丸みを帯びた器では、香気が中央に集まりやすく、香りの層が豊かに感じられます。
  • ハーブ業界全体でもアロマキャップの性質は重要視されています。
    → ハーブバス(香草風呂)やアロマ体験などでも、器や湯面上部にたまる香気層が演出に活かされている実例があります。

🫖 紅茶文脈での使い方(英和例文)

  • This Darjeeling forms a delicate aroma cap with floral and muscatel notes.
    (このダージリンは、花香とマスカテル香の繊細なアロマキャップを形成する。)
  • The aroma cap helps preserve the tea’s top notes during cupping.
    (アロマキャップが、テイスティング中にトップノートの香りを保つ助けとなる。)

🧸 くまの一言

「アロマキャップ」は、香りが目に見えないまま、そこに“とどまっている”ことの不思議を教えてくれる言葉です。
良い紅茶を淹れたとき、ふと鼻先にやってくる香りの層。
それはもしかしたら、茶葉が語る最後のひと言なのかもしれません。
ハーブ業界から持ち込まれた用語ですが、紅茶の香りの表現を豊かにしてくれる言葉だと思います。


🔗 リンク(内部・外部)

  • [aroma(香り)]
  • [flavor(風味)]
  • [top note(トップノート)]
  • [infusion(抽出)]
  • [vapor(蒸気)]