contents🏷️ Codex CGX 80【食品のリスク分析の原則およびガイドライン】
正式名称:“Principles and Guidelines for Food Risk Analysis” adopted by Codex Alimentarius Commission, 2013
適用:すべての食品・食品成分・添加物・香料・工程に関するリスク評価・管理・伝達
📘 概要
Codex CGX 80-2013 はCodex CGX 80の最新バージョンです(2025年現在)。これは、食品の安全に関するあらゆる場面で適用される「リスク分析の国際原則」を明示した指針です。
Codexの中でも、HACCPや食品衛生、添加物評価、香料管理などあらゆる制度の土台となる原則をまとめたもので、多くの国家制度(EU、ISO、米国)にも採用されています。
🧪 リスク分析の3要素
要素 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
リスク評価 (Risk Assessment) | 科学的な危害分析・影響推定 | JECFAやEFSAなどの科学委員会が実施 |
リスク管理 (Risk Management) | 政策・基準設定・制限措置などの決定 | Codex基準、国の規制、輸出制限など |
リスクコミュニケーション (Risk Communication) | 評価・管理の過程と結果を関係者に伝達 | 消費者・業者・政府間の透明性を確保 |
💻リスク分析のフレームワーク
リスク管理
- 予備的なリスク管理活動
- 飼料に由来する食品安全上の問題の特定
- リスクプロファイルの作成
- リスク評価・リスク管理におけるハザードの優先順位付け
- リスク評価の実施方針の決定
- リスク評価の出力の定義
- リスク評価の実施(委託)の決定
- リスク評価の想定される結果の検討
- リスク管理オプションの評価
- リスク管理オプションの実施
- モニタリングと見直し
リスク評価
- ハザードの特定
- ハザードの特性評価
- 曝露評価
- リスク特性評価
リスクコミュニケーション
(利害関係者間の情報共有と意見交換の継続的プロセス。くま註)
(Codex CGX 80-2013より。森のくま訳)
🫖 紅茶・香料との関係性
分野 | 適用例 |
---|---|
香料 | 使用香料がヒトに有害かどうかの毒性評価(→JECFA、EFSAに連携) |
茶葉の残留物 | 殺虫剤、鉛、フッ素などの残留評価と規制根拠(→CXS 192) |
異物混入・加工安全 | 加工工程での金属片、異物混入リスク管理(→GMP、EC852) |
ラベル・広告 | 安全性が確保されていない製品の誤表示防止(→CXS、EC1169) |
🔗リンク
- EC 178/2002:リスク評価三原則をそのまま法制化(Article 6)しています。
- ISO 22000:リスク分析をベースにした食品安全マネジメント構造です。
- Codex CXG 90-2017:GMP指針にもこの3原則が組み込まれています。
- Codex CXS 193-1995:汚染物質・毒素の基準設定にもこの指針を参照しています。
- Codex CGX 80-2013(新しいタブで開きます):PDFでダウンロードできます(英語版・無料)。