contents
- 🏷️ EUオーガニック規則(EU Organic Regulation)正式名称
- 📘 EUオーガニック規則の概要
- 🌿 EUオーガニック規則の主要な規定内容(紅茶への関係を含む)
- 📎 EUオーガニック規則と他制度との連携性
- 🫖 紅茶への適用・実務的ポイント
- ✍️ 注記
- 🔗リンク
🏷️ EUオーガニック規則(EU Organic Regulation)正式名称
EUオーガニック規則正式名称:
- Regulation (EU) 2018/848 on organic production and labelling of organic products
- Commission Delegated Regulation (EU) 2021/1165 supplementing 2018/848
施行日:2022年1月1日(実質運用開始)
📘 EUオーガニック規則の概要
EUオーガニック規則の規則群は、EU域内および第三国(輸出側)に対して共通のオーガニック基準と表示制度を定めたものです。
旧規則(EC 834/2007)を全面改正し、輸入製品・混合製品・加工具合・香料の使用可否などを詳細に規定しています。
🔎 紅茶・ハーブティー・フレーバーティーなどにおいて「EUオーガニックマーク」を表示するには、これらの規則に適合する必要があります。

🌿 EUオーガニック規則の主要な規定内容(紅茶への関係を含む)
項目 | 内容 | 紅茶との関係 |
有機栽培の定義 | 土壌・肥料・農薬・遺伝子組み換えの制限 | 茶樹の栽培方法・肥培管理が対象に |
加工食品の有機要件(Article30) | 加工後も95%以上の成分がオーガニックでなければならない | フレーバーティーやティーバッグ茶の加工が対象に |
使用できる添加物・香料の制限 | 限定された香料のみ使用可(天然・認可成分) | ISO9235と一致する天然香料のみ使用可能(Codex Annexと連動) |
輸入製品への適用 | EU以外の国からの有機製品も同水準の制度が必要 | 日本・ネパール・スリランカ等の有機茶輸出に直接関係 |
オーガニックマーク表示要件 | 認証機関名・農産地コード・表示面積条件など | 製品パッケージでの表示チェックに活用される |
禁止事項 | 香料を除く非有機成分の添加、混合生産、意図的な誤表示 | 「自然栽培」「無農薬」との表示の区別にも影響あり |
📎 EUオーガニック規則と他制度との連携性
- ISO 9235
天然香料の定義がこの規則に取り込まれている(使用条件の根拠) - EC 1334/2008(香料)
天然香料の分類が一致、表示規則も連携 - Codex CXS 1-1985/Codex CXS 12-1981 Annex
有機表示の条件・香料分類と共通原則を持つ - 日本の有機JAS制度
相互承認枠組みが存在(ただし完全整合ではない)
🫖 紅茶への適用・実務的ポイント
- 有機フレーバーティー:香料はISO 9235に基づく天然香料のみ使用可。合成香料や加水アルコール抽出香料は不可。
- 「有機紅茶」表示:栽培・収穫・加工・包装すべてで有機対応が必須(特に混合ブレンド製品では要注意)。
- 輸出事業者向け:日本でJAS認証済でも、EUで販売するにはEUオーガニック制度への適合証明が別途必要。
✍️ 注記
この規則は、「有機」という言葉の制度的意味と実際の農業・加工・貿易現場との接点を定めるものです。
言語と制度の境界線に注目する視点からすれば、「何が“自然”とされ、何が排除されるか」という構造を読み解く入口にもなります。