ジョージ6世(George VI/1895-1952)

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👑略歴

ジョージ6世はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国ならびに海外自治領の国王です。また、最後のインド皇帝ならびに最初のコモンウェルス首長でもありました。

1936年に、ジョージ5世が崩御し皇太子デイヴィッドがエドワード8世として即位します。しかし彼は王座について1年と立たぬうち、離婚暦のある米人ウォリス・シンプソンと一緒になるべく、退位してしまいます。これが退位危機(abdication crisis)と呼ばれる事件です。そしてその結果次男であったアルバートがジョージ6世として即位します。


🫖ジョージ6世と紅茶

1. 第二次世界大戦下の「紅茶配給」支援

  • ジョージ6世の在位期間(1936–1952)はまさに第二次世界大戦期。
  • 紅茶は戦時中も「国民士気維持の飲み物」として優遇されていた。
  • 「パンがなくても紅茶は配給を止めるな」と言われるほど。
  • 王室も国民に寄り添う象徴として質素な生活と紅茶の共飲をメディアに見せていた。
  • ✨「国王夫妻が空襲後に庶民と同じ紅茶を飲む姿」は、心の支えになったという記録も。

2. 紅茶の「帝国の象徴」としての継承者

  • ジョージ6世は「最後のインド皇帝(Emperor of India)」でもある。
    • インド独立は1947年、在位中。
  • つまり、紅茶の「植民地から本国へ」という流通構造の終焉期の君主。
  • 彼の時代に、帝国紅茶の終わりと、戦後英国紅茶の文化的再構築が始まった。

3. 「喫茶の君主」エリザベス2世の父としての位置づけ

  • ジョージ6世自身は控えめで、内向的。
  • しかし、王女時代のエリザベス(後のエリザベス2世)に深く影響を与えた。
  • そしてエリザベス2世は「お茶好き」で知られる女王に。

4.📸 写真しかない? 実は紅茶缶に登場している!

  • トワイニングなども、限定ラベルや王室ゆかりのデザインを発行。
  • 📦王室と紅茶ブランドの関係はこの時期に確立していった。
  • 1950年代、王室が関与した「記念紅茶缶」や「戴冠記念パッケージ」には、ジョージ6世の肖像入り紅茶缶も存在。

🎬 『英国王のスピーチ』の魅力

  • 主演:コリン・ファース(ジョージ6世役)
    • 彼の演技は圧巻で、国王が吃音を克服して国民前でスピーチをするシーンは、胸が熱くなります。
  • 映画の舞台
    • 映画の物語は、ジョージ6世(ジョージ・ヴィンセント・アルバート)が言葉の問題(吃音)に苦しみながらも、国民に向けて重要なスピーチをするまでを描いています。
  • 舞台となる背景
    • 1930年代末から40年代初頭のイギリス――その時期にナチス・ドイツの脅威が迫る中でのスピーチという、歴史的背景が深みを与えています。
  • 吃音と向き合う勇気
    • 言葉に自信が持てない王が、言語療法士のライオネル・ローガン(ジェフリー・ラッシュ)と共に克服する姿が心に残ります。
    • 映画の中で、ジョージ6世が自らを変えていく力強さが描かれ、それが国民にも伝わり、歴史的に意味のあるスピーチを成功させるシーンに感動。
  • ラストシーンのセリフ
    実際のジョージ6世は「R」をいつも「W」と発音してしまっていたそうです。映画の最後の演説でも「W」の発音につっかかるのですが、スピーチの後「完璧すぎるのは、私らしくないだろ?」と。あのシーンは本当に感動的です。

📚 ジョージ6世と切手収集

  • 子どもの頃からの趣味
    • ジョージ6世は、若い頃から切手を収集することが好きで、特に王室に関連した切手を集めることに情熱を注いでいました。
    • その収集は、彼の大人になってからも続いたという記録があり、非常に精密な収集家として知られています。
  • 切手のコレクションは世界的にも有名
    • ジョージ6世の収集した切手は、後に彼の息子であるチャールズ皇太子(現チャールズ3世)にも引き継がれました。
    • 実際、王室の切手コレクションはイギリス王室の中でも高い評価を受けており、非常に価値のあるものとされていました。
  • 戦争中の「切手と国民とのつながり」
    • 第二次世界大戦中、ジョージ6世のフィラテリーは単なる趣味以上の意味を持っていました。
    • 彼は、切手を通じて戦時中の国民との絆を深める意図もあったと言われています。特に、戦争中の郵便物の配布や切手発行が、国民の士気を高める役割を果たしたとも考えられています。

🏅 切手収集家としてのジョージ6世の影響

  • ジョージ6世の切手コレクションの影響
    • 彼の収集活動は、後のイギリス王室や皇室のフィラテリー活動にも影響を与え、今も続く王室の切手コレクションとして名を馳せています。
    • また、王室が発行する記念切手や特別デザインの切手の伝統にも、ジョージ6世の趣味が反映されていると言えます。
ジョージ6世
George VI