ISO 1575(総灰分の測定)

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🔹 概要

ISO 1575:1987 は、茶葉を含む食品中の総灰分(total ash)を測定するための国際規格です。

灰分とは、食品や茶葉を高温で灰化(燃焼)した後に残る無機質の総量を指し、製品の品質管理や標準化において基本的な分析項目の一つです。


🔹 技術的内容(概要)

  • 試料をあらかじめ恒量に乾燥させます。
  • 約550℃のマッフル炉で全有機物を焼成します。
  • 残留物を冷却・秤量し、総灰分として算出します。
マッフル炉 by Guruleninn
マッフル炉 by Guruleninn

🔹 紅茶との関係

  • 総灰分は紅茶の品質指標として使用されます。
    (例:ミネラル分・異物混入の検出・原料の安定性確認)
  • 紅茶の輸出規格(例:インド、スリランカの農産物規格)でも参照されることがあります。
  • ISO 3720(紅茶の基本規格)と連携する分析手法のひとつです。

🔹 関連規格

  • ISO 1576: 水溶性/非水溶性灰分の測定

🔗リンク

ISO 1576(水溶性・非水溶性灰分)
ISO 1575:1987 – Tea — Determination of total ash(新しいタブで開きます):ISO公式


🧸 くまのひとこと

「灰になるまで測る」などというと、なにやら物騒に聞こえるかもしれません。

でも、お茶の中に含まれるミネラルや異物の痕跡を正直に残してくれるのが、この灰分というものです。

見えない成分の「あとかた」を読む。それが、品質管理の第一歩なのです。