ISO 6078(紅茶および関連用語の定義)

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🍃 概要

ISO 6078:1982 は、紅茶・緑茶・ウーロン茶・インスタントティーなどを含む「茶(tea)」とその関連製品について、国際的な共通語彙(用語と定義)を定めた国際規格です。

本規格は、製造・輸出入・品質検査・技術文書等において用語の解釈を統一することを目的としています。


🌱起源・背景

1982年制定。紅茶・緑茶・発酵茶など多様化する世界の茶市場において、「用語の不統一」が貿易・審査・教育の妨げとなっていました。そのため共通語彙の整理が求められました。

ISO 3720制定後、補完的な文書として作成されました。現在次のバージョンとしてISO/AWI 6078が起草されています。


🌿運用上の特徴

  • 貿易書類、ISO規格本文、FAO Codexの用語選定の基準として使用されます。
  • 各国のローカル用語との調整用辞書としても機能しています。(例:「Darjeeling」と「Orthodox」の関係整理)。
  • 最新動向では、ISO/WD 37201が本規格の後継または再編統合候補として動いています。(2020年代)。

📘 ISO 6078に含まれる用語カテゴリ(例)

カテゴリ
茶の種類green tea, black tea, oolong tea
製造工程withering, rolling, fermentation
物理的形状fannings, dust, broken leaf
評価・官能liquor, briskness, aroma, colour
包装・流通lot, sack, consignment

✅ 用語数の目安

  • 英語見出し語:約120語前後です。
  • 定義文+一部には例・備考がついています。
  • 一部は後のISO 6079や11287にも再利用されています。

🔹 紅茶との関係

  • 国際取引や品質表示での用語のズレや誤解を避けるための基準になっています。
  • 各国の紅茶規格・輸出仕様書・認証マニュアルの基本語彙として参照されます。
  • 特にISO 3720(紅茶の品質基準)やISO 3103(標準抽出法)と併用されるケースが多いです。

🔹 この規格の重要性

  • 「リカーって“飲むもの”ではなく、“淹れた液体”のこと」といった誤用や誤解の防止に役立っています。
  • 国際協議・分析・輸出入などの場で、共通言語としての役割を果たしています。
  • 一部の専門用語は、後のISO 6079(インスタントティー定義)やISO 11287(緑茶定義)のベースにもなっています。

🧸くまのひとこと

「アロマ」や「ブリスル」、紅茶の世界は聞き慣れない言葉の宝庫です。
でも、みんながバラバラな意味で使っていたら、話は噛み合いません。
世界中の紅茶関係者が“共通語”で語れるように。そうした思いが、この用語集の背後にあるのです。


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