ASIAGAP

contents

📘正式名称

ASIAGAP(Asia Good Agricultural Practices)

🌏概要

ASIAGAP(アジアGAP)とは、一般財団法人日本GAP協会が主導する、アジア地域向けの農業生産工程管理(GAP)認証制度です。国際的な食品安全ニーズに対応しつつ、アジア各国の農業事情に即した柔軟な規格として設計されています。

🎯 設立の目的

ASIAGAPは、JGAPの国際展開版として設立されました。日本国内のGAP認証が、国際的な流通やGFSI(Global Food Safety Initiative)との整合性を求められるなかで、アジア全体に対応するGAP規格として再編されました。

目的は、アジア地域の農業者が、国際的な食品市場へのアクセスを可能にし、安全性・信頼性を証明できる仕組みを提供することにあります。

🧭 制度の構造と特徴

ASIAGAPは、JGAPと同様に農業経営におけるリスク管理、農薬・肥料管理、労働安全、環境保全などを含む包括的な基準を持ちます。特に以下の点で特長があります。

  • GFSIとの整合性強化
  • 英語基準書の整備(多国籍展開を支援)
  • 第三者認証スキームとしての透明性

ASIAGAPは、JGAP Advancedに相当するレベルで運用されており、将来的にはGlobalG.A.Pとの相互認証を視野に入れています。

🌿 紅茶との関係

ASIAGAPは、紅茶の国際輸出やOEM取引において有用な認証制度となり得ます。特に、スリランカ、ベトナム、台湾などのアジア圏紅茶産地との提携を見据える日本企業にとって、ASIAGAP取得は信頼性の証明手段になります。

また、日本国内での和紅茶産地でも、ASIAGAPを導入する事例が出始めており、農産物の輸出拡大戦略の一環として注目されています。

🔗 他制度との関係

ASIAGAPは、JGAPの上位・国際対応規格として機能しています。 また、GFSIによるベンチマーク承認を受けており、FSSC 22000やGlobalG.A.Pなどの国際基準との整合性が高められています。

📚 関連項目(紅茶用語集内)

☕ 余談 ASIAGAPという項目をあえて独立させた理由

📝 なぜASIAGAPを独立項目として載せたのか?

「いや、それGlobalG.A.Pでよくない?」という声が聞こえてきそうですが、それ、半分正解です。 たしかに現場ではGlobalG.A.P一択の場面も多く、「ASIAGAP?名前だけは聞いたような…」という反応も少なくありません。

それでも、ここに載せたのは──

  • 日本発で唯一、GFSIベンチマークを取得している農業GAP規格であること
  • JGAPとセットで、日本の農業界が“世界に打って出ようとした挑戦”の記録であること
  • そして、紅茶分野においても国際輸出に向けた橋渡しの制度として静かに期待されていること

…そうした、いわば「理想のために一度は語られておくべき項目」だからです。

紹介はしました。が、現場でこれを見かけたらご一報ください。

……むしろ、喜んで茶を一服差し上げます🍵