バノック
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概要
バノック(bannock)とはスコットランドの穀物粉から作られる平たいパン状の食品です。オーブンではなく、鉄板や石の上で焼かれることが多く、非常に古い起源を持ちます。
もともとは、大麦、オーツ麦などで作られていました。
歴史的位置
バノックは菓子ではありません。バノックは日常の糧であると同時に、祝祭に捧げられるパンでもありました。とくにケルト文化圏では、季節の祝祭においてバノックが焼かれる伝統があり、日常の食物と共同体の儀礼が地続きであったことを示しています。素朴な主食でありながら祝祭にも用いられた点に、このパンの文化的特徴があるのです。
また、スコットランドのみならず、後にカナダへ移住した人々によって北米にも広まりました。
とくに開拓時代には
- 持ち運びやすい
- 少ない材料でできる
- 保存がきく
という理由から重宝されました。
紅茶との関係
現代のアフタヌーンティーのような華やかさとは異なります。バノックの存在は紅茶がしばしば、質素なパンと共に飲まれてきたことを示しています。
つまりバノックは、紅茶の「生活側」を示す語なのです。
ショートブレッドが「歓待」なら、バノックは「日常」を表すのです。
語源
ラテン語 panicium(焼いたもの)に由来すると考えられています。非常に古層のパン文化を反映した語です。