カテキン

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概要

カテキン(catechin)は、緑茶に多く含まれるポリフェノールの一種で、お茶の渋味や苦味の原因となる成分です。緑茶では含有量が高く、紅茶では製造中の酵素的酸化で一部がテアフラビン/テアルビジンへ変化しますが、未反応のカテキンも残存します。


関連規格/典拠

・定量法:総ポリフェノール(比色)/個別カテキン(HPLC など)
・主な分子種:EC(エピカテキン)、EGC、ECG、EGCG(ガレート型は渋味が強め)


官能と抽出

湯温・時間・葉の細かさ・茶量が溶出に影響します。長時間・高温・細かい等級ほど渋味が強く出やすいです。


紅茶での挙動

萎凋→揉捻で細胞が破れ、酸化酵素(PPO等)によりカテキンが二量化(テアフラビン)/重合(テアルビジン)になります。これが水色(赤~赤褐)と味の骨格を形作ります。


健康文脈

抗酸化・抗菌・抗ウイルスなどが研究されているが、効果は摂取量・条件・個人差に依存しています。飲用は嗜好と体調に合わせ適量で。


ミルクとの相互作用

ミルクタンパク質がカテキン/関連ポリフェノールと結合し、渋味の体感が和らぐことがあります。


カテキンの含有量(音声対応)
catechinの含有量(茶葉100g当・概数)

カテキンの含有量(茶葉100g当)

もっとも多いのは煎茶、次いで紅茶、玉露・抹茶はやや少なめ。値は概数です。

図1のデータ(単位は画像の目盛に準拠/概数)
茶種含有量(概数)
煎茶約13(目盛15を最大とした概数)
紅茶約11
玉露約10
抹茶約10
catechinの含有量(抽出液 mg/mL・概数)

カテキンの含有量(抽出液 mg/mL)

もっとも多いのは玉露、次いで抹茶、紅茶、煎茶の順。値は概数です。

図2のデータ(単位は画像の目盛に準拠/概数)
茶種含有量(mg/mL・概数)
玉露約240 mg/mL
抹茶約150 mg/mL
紅茶約100 mg/mL
煎茶約60 mg/mL
日本食品標準成分表 2015年版(七訂)を元にくま作製

🫖紅茶文脈での使い方(英語短文)

英文: During black-tea manufacture, catechins are enzymatically oxidized into theaflavins and thearubigins, so the residual catechin level is lower than in green tea.

和訳: 紅茶の製造中、カテキンは酵素的に酸化してテアフラビン/テアルビジンになり、残存カテキンは緑茶より少なめになります。

英文: Gallated catechins like EGCG and ECG tend to increase perceived astringency in stronger brews.

和訳: EGCG/ECGなどガレート型カテキンは、濃い抽出で渋味の体感を高めがちです。

英文: Shorter, cooler infusions extract fewer catechins, yielding a softer cup.

和訳: 短時間・やや低温の抽出はカテキン溶出が抑えられ、口当たりが柔らかくなります。


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