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定義
Codex の衛生コードです。低水分食品(Low-Moisture Foods)全般に対して、サルモネラ等の環境汚染リスクを中心に、設計・操業・清掃・原料管理・環境モニタリングの要件を示しています。茶葉やハーブ等の乾燥品は本コードの典型対象です。
位置づけ
CXC 75 は CXC 1(食品衛生の一般原則)を前提に、低水分食品特有の管理点(乾燥環境での病原体定着・再汚染)を補強する専門コードです。詳細はCodex 公式PDFおよびCodex/CCFHの成案一覧を参照してください。
対象(紅茶まわりの例)
茶葉/紅茶・緑茶・烏龍茶等の乾燥茶、ハーブティー素材(乾燥ハーブ)、インスタントティー粉末などの低水分カテゴリです。
低水分食品は一般に水分活性 aw≲0.85の領域で扱われ、乾燥工程や保管・包装中の環境由来汚染が主リスクになります。
FAO/WHOの低水分食品リスク整理でも、スパイス・乾燥ハーブ(紅茶を含む)が主要グループとして挙げられています。
コア要求(現場で押さえる5本柱)
1.施設ゾーニングと動線設計
入荷~乾燥~ふるい分け~ブレンド~包装の汚染・非汚染区分、正圧・負圧、人・物・空気の流れを分離。乾燥後エリアへの病原体侵入・定着を抑える。
2.設備の衛生設計 & 乾式清掃
水洗いでのエアロゾル拡散・乾燥不良を避ける。乾式・制御湿式の清掃バリデーションをルール化。
3.原料・入荷管理
茶葉・ハーブ・スパイス等の微生物規格・供給者保証、ふるい・金属検出・異物管理。サルモネラ陰性の合理的保証がポイント。
4.環境モニタリング(EM)
ルモネラ/腸内細菌科等のゾーン別スワブ計画を持ち、根本対策(設備補修・動線改良)まで回す。ガイダンス付録の参照が推奨。
5.工程管理と再汚染防止
焙炒・乾燥・スチーム殺菌などの制御工程があっても、後段の再汚染防止(密閉搬送、集塵、包装前の保護)が必須。
茶系への実装ヒント(チェックリスト)
- 区分設計:乾燥後のブレンド・包材充填エリアは準クリーン化(出入りと掃除手順を別管理)。
- 清掃様式:粉じん飛散を抑えた乾式清掃を基本、湿式は限定条件・完全乾燥の確証をセットで。
- 原料基準:仕入れ茶葉・ハーブはサルモネラ規格と熱処理/殺菌履歴、ふるい・除鉄の有無を供給者監査に明記。
- EM計画:ゾーン1~4の分類でサンプリング、陽性時は原因追及>是正>再評価のCAPAを定型化。
- 粉末製品:インスタントティー等は乾燥後の閉鎖系搬送・袋内窒素置換などで再汚染・吸湿を低減。
関連Codexとの関係
- CXC 1(一般原則):GHP/HACCPの大枠です。CXC 75は低水分特化の上乗せになります。
- CXS 193(汚染物質)・MRL:原料側の化学・農薬リスクの別軸管理についてです。
- GSFA(CXS 192)・GL66(香料):フレーバードティーやRTD化の添加物・香料は別規格で確認が必要です。
🔗リンク
Codex CXC 1-1969(食品衛生の一般原則)
Codex CXS 193(一般汚染物質・毒素基準)
GSFA(CXS 192)
Codex CXC 75-2015:公式PDF