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📘 概要
食品表示基準は、2015年4月に食品表示法の施行により統合された、
日本国内の食品表示に関する包括的な基準です。
この基準は、かつて存在した以下の3法の表示ルールを一本化したものです。
- 食品衛生法(成分・添加物など)
- JAS法(品質、産地、等級など)
- 健康増進法(栄養成分表示など)
現在は、消費者庁が所管し、すべての市販食品に対して統一的な表示ルールを定めています。
🧾 表示義務と内容
表示項目 | 内容 | 紅茶との関係 |
名称 | 一般的な商品名(例:紅茶、フレーバーティー) | 誤認を避けるための名称記載が必要 |
原材料名 | 成分を使用重量順に記載、香料・甘味料・酸化防止剤なども明記 | フレーバードティーの香料名の表示可否に関与 |
アレルゲン表示 | 特定原材料を含む場合の記載義務 | 紅茶本体には通常不要だが、ブレンド素材によっては必要 |
内容量・賞味期限 | g単位での表示、日付表示など | ティーバッグ・リーフティー共通の義務表示 |
保存方法 | 常温・冷蔵・開封後の取扱い等 | 湿気や直射日光を避ける旨などを記載 |
原産国名 | 輸入品の場合は原産国表示義務あり | スリランカ、インド、ネパール等の記載義務あり |
添加物の用途名表示 | 香料、甘味料などは用途と一緒に表示(例:「香料(ベルガモット由来)」) | 「合成香料」「天然香料」の区別はされないが、香料の明記は必要 |
🫖 紅茶への具体的影響
- フレーバードティーでは、香料・甘味料・色素などの表示がこの基準に従って義務づけられます。
- 「天然香料」「合成香料」といった区別は表示義務には含まれず、どちらも「香料」と記載できます(詳細は任意)。
- 一般消費者に向けた分かりやすさ・誤認防止の観点から、ラベル設計はこの基準をベースに構築されます。
📎 併読推奨
食品衛生法:表示される原材料の安全性や添加物規制
Codex CXS 1-1985(食品表示規範):国際基準との比較
EC 1334/2008(香料表示規則):EUにおける香料の分類
Codex CXS 12-1981 Annex(香料の使用指針):香料規定との接続
[flavor-labeling-japan](香料表示制度:日本):用語辞典内の比較項目
🧸くま補足:書いてないことが「許される」表示
この表示基準は「書いていいこと」ではなくて「書かなければいけないこと」だけを決めているという点がミソなのです。
つまり、どの香料を使ってるかを書いてもいいけど、書かなくても違法ではない。
だから、「ベルガモット香料使用」と書かれていても、それが天然か合成か、どれくらいの量か――実はわからないことが多いわけです。
表示のルールは、消費者の「知らなくてはいけない権利」と、「企業がどこまで説明するか」のせめぎ合いなのです🧃