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📘 概要
食品衛生法(昭和22年法律第233号)は、日本における食品の安全確保を目的とした基本的な法律です。
紅茶を含むすべての飲食品について、「安全であること」を保証するための衛生基準・検査制度・添加物管理などがこの法律により定められています。
🧾 主な対象と規制の概要
分野 | 内容 | 紅茶との関係 |
食品の安全基準 | 一般食品の成分・微生物・農薬・異物などに関する安全規定 | 茶葉の残留農薬規制、輸入時の検査対象となる |
食品添加物 | 使用可能な添加物・使用基準・表示方法などを告示で定義 | 香料や酸化防止剤、甘味料等の使用条件を規定 |
食品の製造・加工施設 | 衛生管理基準、HACCP導入の義務化(2021年より) | ティーパック製造やブレンド施設も対象に |
輸入食品の検疫・審査 | 輸入食品は厚生労働省の定める安全基準を満たす必要あり | 紅茶・フレーバー・パウダー製品などの検査対象 |
🫖 紅茶への具体的な影響
- 輸入紅茶の残留農薬検査:とくにインド、スリランカ、ネパールなどからの輸入紅茶に対して、厳しい農薬残留基準が適用されています。輸入者は通関時に検査を受ける必要があります。
- 香料・添加物の規制:日本で販売されるフレーバードティーは、使用する香料が「食品添加物として認可済み」である必要があります。未認可香料は輸入・販売できません。
- 製造時のHACCP導入:2021年以降、すべての食品製造施設にHACCPに基づく衛生管理が義務化されており、小規模な紅茶メーカーにも影響を及ぼしています。
📎 併読推奨
- 食品表示基準(日本):ラベル表記に関する国内制度
- Codex CXS 193-1995(汚染物質基準):国際的な残留農薬・重金属の基準
- Codex CXG 90-2017(GMP指針):衛生管理の国際ガイドライン
- HACCP事例集(紅茶業界向け):業界向けの実践事例を参照
🧸くま補足:紅茶と「衛生法」、遠いようで深い関係
昔の紅茶には「衛生法」と聞いてもピンとこない時代がありました。
けれど今は、どこの農園で育てられ、どんな香料が使われ、どんな環境でパックされたかが問われる時代です。
くまが愛しているような、個性的なフレーバーや希少なオーガニック紅茶も、日本国内で「安全」と認められないと流通すらできないのです。
その舞台裏にあるのが、この食品衛生法。ラベルの奥にある“もう一つの物語”なのです🍃