脱酸素剤
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概要
脱酸素剤(Oxygen Scavenger)は密封容器内の酸素を吸収して低酸素状態にする目的の薬剤で紅茶保存でも使われます。中身は鉄の粉の場合が多いです。
紅茶には2日間かけて酸素と反応する低反応型といわれるタイプを使います。時間をかけて反応が進むので、ほとんど発熱しないところが紅茶向きなのです。通常見かける脱酸素剤は1日かけて反応するので発熱します。紅茶は熱を好みません。なので紅茶には紅茶専用の低反応型の脱酸素剤を使うことが大切です。
・同義/別表記:酸素吸収剤/脱酸素包材
原理
鉄粉+水分+酸素 → 酸化鉄(発熱反応)。紅茶には発熱が極小の低反応型が適しています。
使い方
①バリア性の高い袋/缶で外気侵入を抑える
②ヘッドスペースO₂量に見合う容量(目安:必要量の2~3倍の吸収能を選定)
③茶に触れさせない(個包装のまま)。
湿度との関係
鉄粉系はわずかな水分で作動します。強力な乾燥剤を同梱すると反応が鈍る場合があるため、兼用は茶の水分活性に応じてとなります。
実務の勘所:光への配慮が最優先です。酸素よりも光(太陽光・蛍光灯)で香り・色の劣化が早いことが多いです。遮光容器+低反応型脱酸素剤がベストプラクティスです。
注意
開封厳禁/食べ物ではない。使用済みは可燃物として処理してください(地域ルールに従う)。
🫖紅茶文脈での使い方(英語短文)
英文: For tea, use a low-heat, slow oxygen scavenger and combine it with a high-barrier, light-shielding pouch.
和訳: 紅茶には<strong data-start="899" data-end="911">低発熱・低反応型</strong>の脱酸素剤と<strong data-start="917" data-end="929">高バリア・遮光袋</strong>の併用が適します。
英文: Size the scavenger to at least two or three times the headspace oxygen to stay safe.
和訳: ヘッドスペース酸素量の2~3倍の吸収能を選ぶと安全です。
英文: Avoid very aggressive desiccants together with iron-based scavengers, or activation may slow down.
和訳: 強力乾燥剤を同梱し過ぎると鉄系の作動が鈍ることがあります。
🐻くまの一言
実務の所にも書きましたが、酸素に気を使うくらいならそれよりもっと「光」に注意すべきだと思います。なぜなら太陽光に限らず、蛍光灯などでも「光」に当たることの方が紅茶をスピーディーに劣化させるからです。紅茶をきれいなガラスの入れ物に入れている「紅茶専門店」と称している所を見かけることがあります。でも光に気を使わない所の紅茶がおいしくないのが当たり前なので、くまは絶対そうした所では買いません。